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第90回 ─ SPECIAL OTHERS × Perfume @Zepp Tokyo 2008年6月21日(土)

連載
ライヴ&イベントレポ 
公開
2008/06/26   12:00
更新
2008/06/27   12:23
テキスト
文/澤田 大輔

コンサート制作の老舗、HOT STUFF PROMOTIONの設立30周年記念イヴェント〈BLACK AND BLUE〉が、6月20日~22日に渡ってZepp Tokyoにて開催されました。20日はチャットモンチー × スチャダラパー、21日はPerfume × SPECIAL OTHERS、22日はYUKI × 銀杏BOYZという、超異色の対バン・ライヴが繰り広げられた3日間の模様を、bounce.comでは詳細にレポートいたします!

  アクロバティックな組み合わせの対バンが続く、アニヴァーサリーな3日間。なかでもこの日のラインナップは異色中の異色だろう。かたやインスト主体のジャム・バンド、かたやお茶の間を席巻するアイドル・ユニット。どうなることやら、まるで未知数の会場に踏み込んでみると、果たしてそこは超満員。タオルを首に巻き、臨戦態勢に入ったオーディンスの期待感が充満している。その心地よい熱気に煽られて、こちらもビール2杯。そんななか、まずはSPECIAL OTHERSが登場した。

大歓声に迎えられた彼らだが、いきなり衝撃のアナウンス。メンバーみんながフリスビーで遊んでいた際、ギターの柳下がはしゃぎ過ぎて転倒、右肩の鎖骨を骨折したとのこと……! 心配げなどよめきと(あんまりな理由ゆえの)失笑が飛び交うなか、当の柳下は「鎖骨は折れてるけど一生懸命頑張るんで!」と呑気に宣言。結果的に盛り上がったところで“BUMP”からライヴはスタートした。ラウドなブレイクが放たれ、高揚感に満ちたオルガンのリフが飛び交う。座ってのプレイを余儀なくされた柳下も、いつもと変わらぬ様子でギターを操り、“Night Paradise”では、ワウを効かせたインプロを撒き散らす。気持ちよい音色で編み上げられる気持ちよいグルーヴ。これぞ至上のスペアザ・ワールド! 

  キーボードの芹澤が「今日は絶対最高の夜になるんで、みんな楽しんでいきましょう~」とユルく盛り上げると、お次はメロウなヴォーカル・パートを配した“Laurentech”と“Around the world”。そしてロマンティックなメロディーをバック・ビートが支える“STAR”にフロアがうねる。ポップな骨格を持った楽曲の数々が、Perfumeファンをもグイグイのせていく。

かねてからPerfume好きを公言していた彼らだが、この日もMCの度に熱烈ファンっぷりをアピール。「今日はPerfumeのサインをもらって、一緒に写真を撮って、ホクホクで帰ります!」とドラムの宮原がのたまえば、柳下によるライヴ恒例の〈一句〉も〈くり返す このポリリズム いつまでも〉と、Perfumeにオマージュを捧げた内容に。そしてラストに繰り出されたのはド直球のファンキー・チューン“BEN”。その煮えたぎるようなグルーヴでフロアを熱狂させつつ、なんと途中で“Perfume”のフレーズを織り込んでみせるという芸当を披露。マニアックな引用で、ガチのPerfumeファンであることを見事に(?)証明したスペアザであった。

  そんなSPECIAL OTHERSのオーガニックなアンサンブルから一転、エレクトロなビートが耳をつんざく。続いての登場はもちろんPerfume。ステージ上の3つの台座にメンバーが立つと、“シークレットシークレット”の官能的なサウンドが滑り出した。しょっぱなから半端ないテンションで盛り上がるオーディエンス。続けざまに飛び出した“チョコレイト・ディスコ”では早くも暴動寸前。ロボティックでキュートな楽曲のイメージとは対照的な、怒涛の「ディスコ!」コールがステージ&フロア双方から弾け飛ぶ。「イヴェント二日目。中だるみの時期ですが……」と、あ~ちゃん。いやいや、どう考えてもいまが一番熱いです。彼女たちの間ではスペアザの“Laurentech”がブレイクしているとのことで、この日のあ~ちゃんは「ギミワラレンパラレンローレンテック♪」と、勝手な空耳の歌詞によるカヴァー(?)を、ことあるごとに歌っていた。

  続いて披露された“セラミックガール”では、事前の振り付け講座の甲斐あって、会場全体での振り付けコール&レスポンスが実現。ストレートにアイドルっぽいことをやってのけるだけでなく、見る側にもさらりとやらせてしまう彼女たちは、本当に不思議な魅力を持っている。しっとりとしたナンバー“マカロニ”の明滅するようなシンセ・ベースに揺られていると、サイリウムでも振りたい衝動に駆られてしまう。

  エレガントなピアノが踊る“SEVENTH HEAVEN”からは、再びダンス・モード。スペアザがPerfumeにはまるきっかけになったという“コンピューターシティ”を経て、“エレクトロ・ワールド”“ポリリズム”という圧巻のクライマックスへ。叩きつけられるイーブン・キックに合わせてオーディエンスは大きく波打ち、Zepp Tokyo全体がモッシュ・ピットと化したかのような壮絶な状況に。そしてラストに投入されたのは“Perfume”。スペアザの引用に呼応するかのようなこの曲でハッピーに締めくくられた。

BLACK AND BLUE セットリスト

SPECIAL OTHERS
1. BUMP
2. Night Paradise
3. Laurentech
4. Around the world
5. STAR
6. Sunshine
7. AIMS
8. BEN

Perfume
1. シークレットシークレット
2. チョコレイト・ディスコ
3. セラミックガール
4. Baby crusing Love
5. マカロニ
6. SEVENTH HEAVEN
7. コンピューターシティ
8. エレクトロ・ワールド
9. ポリリズム
10. Perfume

▼SPECIAL OTHERSとPerfumeの作品