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第16回 ─ 年間ベストを発表!! 〈曽我部アワード2008〉

連載
曽 我 部 恵 一、 POP職 人 へ の 道
公開
2008/12/18   18:00
更新
2008/12/18   18:41
テキスト
文/bounce.com編集部

 ご存知〈キング・オブ・メロウロック〉こと曽我部恵一のマンスリー連載! ご自身のお店〈City Country City〉でも素敵な〈手描きPOP〉を作っている曽我部氏が、タワーレコードのPOPを担当。独自のテーマでCD/DVD/書籍をチョイスし、その作品のPOP作りに挑みます。完成したPOPとセレクション・アイテムは、タワーレコード新宿店の〈曽我部コーナー〉にて展開……というWEB&店舗の連動企画! さて今月のセレクション・テーマは〈曽我部アワード2008〉です。

 音楽ファンにとって、年の瀬は〈年間ベスト〉を選出する季節。というわけで今回は、昨年に引き続いての〈曽我部アワード〉を開催! 2008年のベスト・ディスクを選んでいただきました。

SQUAREPUSHER『Just A Souvenir』

曽我部「スクエアプッシャーのアルバムとしては、久々に〈普通に聴ける〉ものが出たなあと。いつもはノイズっぽかったりして、もっと実験的じゃないですか。それでも彼は最初から大好きで、ずーっと聴き続けてたんです。ブライアン・ウィルソンにも通じるような、音楽に没入してる感じ、めっちゃハマり込んで作ってる感じが魅力的なんですよね。今回は、架空のロック・バンドのライヴみたいなイメージで作られてるみたいで、バンド感があって凄くいい。誰にでも薦められる。5年に1回くらいは、こういうポップなアルバムを出して欲しいな(笑)」。

鈴木慶一『ヘイト船長とラヴ航海士』

曽我部「僕がプロデュースしたアルバムです。これは僕の今年の仕事のなかでも、めっちゃ評価してもらえたものでしたね。最初、鈴木さんをどうプロデュースしたらいいのかなあと悩んだんですけど、ともかく、自分が好きなことをやらせてもらおうと。それで、鈴木さんの音楽を切り刻んでサンプリングしまくって……っていう作り方で、架空のサントラみたいなノスタルジックな作品に仕上げたんです。アンチコンとかボーズ・オブ・カナダみたいなものにしたかったんだよね。結果的に、他にない音楽ができたかもしれない。なんと、〈日本レコード大賞〉の優秀アルバム賞に選ばれたんすよ!」。

面影ラッキーホール『Whydunit?』

曽我部「これは本気で良かった。彼らをちゃんと聴いたのは、このアルバムが初めてだったんですけど、衝撃的でしたね。面影はとにかく、歌が良いんすよねえ……。みんなが避けたい部分を真正面から歌う。エグい内容なんだけど、ピュアでもある。そこが凄い。歌のなかに登場する主人公たちも、みんな健気でね」。

TRAKS BOYS『Bring The Noise』

曽我部「これも良かったねえ。キックの重さとかが、いまの時代にジャストって感じだったな。TRAKS BOYSって、めっちゃフロア仕様の音だけど、普通にオリコン・チャートに入りそうなくらいポップな感じもするんだよね。今度の曽我部バンドのシングル(“ほし”)でリミックスをお願いしてます」。

RICARDO VILLALOBOS『Vasco』

曽我部「ヴィラロボスは、ほんとびっくりさせられますよね。僕はミニマル・テクノと呼ばれるような音って、全然好きになれないんだけど、この人はおもしろい。なんか、あったかみを感じるんですよ。ミニマルなんだけど、生音とかアフリカンな要素も入ってるし。だから、テクノというよりはハウスっぽいよね。やっぱり、エレクトロ・ミュージックの人たちのなかでは、ひとつ抜けた存在なんじゃないかなあ」。

HIROSHI WATANABE『Life, Love feat.KEIICHI SOKABE』


HIROSHI WATANABEのアルバム『Life, Love feat.KEIICHI SOKABE』

曽我部「(ワタナベ・)ヒロシくんと僕とのコラボ・アルバム。もの凄く重厚なハウスになりましたね。ストリングスなんかが重なってきてグワーッと盛り上げたところで、さらに俺の歌が入ってきて……ハウスとかテクノが好きな人にとっては、濃すぎるかもしれない(笑)。ハウスのおしゃれ感とは真逆というか。俺にとっても相当、謎なものが出来上がりましたね。最近、(ワタナベ・)ヒロシくんと僕とで、ちょくちょくライヴをやってるんですけど、ダンス・ミュージックなのに観客が微動だにしない(笑)。そういう意味で、めっちゃおもしろい作品。50年後くらいに評価されますよ、これは(笑)」。

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