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第18回 ─ DJ曽我部のプレイリスト

連載
曽 我 部 恵 一、 POP職 人 へ の 道
公開
2009/02/19   14:00
更新
2009/02/19   18:33
テキスト
文/bounce.com編集部

 ご存知〈キング・オブ・メロウロック〉こと曽我部恵一のマンスリー連載! ご自身のお店〈City Country City〉でも素敵な〈手描きPOP〉を作っている曽我部氏が、タワーレコードのPOPを担当。独自のテーマでCD/DVD/書籍をチョイスし、その作品のPOP作りに挑みます。完成したPOPとセレクション・アイテムは、タワーレコード新宿店の〈曽我部コーナー〉にて展開……というWEB&店舗の連動企画! 今月のセレクション・テーマは、〈DJ曽我部のプレイリスト〉です。

  ダンス・ミュージックに対しても並々ならぬ愛情を持つ曽我部さん。今回は、DJをする際にかけている音楽を紹介していただきました!

曽我部「DJはそんなにしょっちゅうやってるわけじゃないんだけど、たまにクラブに呼ばれた時は、もっぱらディスコをかけますね。ホワイト盤でしか出てないような、イルなディスコが好きなんすよ。セロファンってユニットの、ディスコ・ダブを30年前にやっちゃってたような曲とか。でも、アーサー・ラッセルとかは、変わってはいるけど、水っぽさがないから、そこまで好きじゃない。セロファンにしても、イタリアン・マフィアの息子かなんかでさ、〈俺の息子が音楽やってるから、レコード出してやってくれよ〉とかって、無理矢理レコードになった……みたいな匂いがするのね(笑)。60年代の、まだ混沌としてた時期のレゲエなんかも大好きなんだけど、やっぱり、レーベル・オーナーの用心棒が歌わされちゃってるみたいな雰囲気があるじゃないですか。バンドのボーヤだった志村けんがドリフに入る感じに近いというか(笑)。そういう水商売感がディスコにはあるから好きなんだよね。あと、そういうディスコを、いいステレオで、家で一人で聴くのが楽しい(笑)。今日は、比較的手に入りやすいもののなかで、割とそういう水っぽい匂いがするものを選びました」。

DANIEL WANG『Idealism』

曽我部「ダニエル・ウォンは、いまのダンス・ミュージック・シーンよりも、ディスコ時代のニューヨークにいるべき人だったんじゃないかなって感じる。それくらいのディスコ・ラヴァーだよね。作るものに、70年代のディスコの感じが凄くあるし、彼のレーベル(BALIHU)から出ているものも、全部ディスコな匂いがしている。そのディスコ愛が好きですね」。

WAR『The World Is A Ghetto』

曽我部「これに入ってる“City, Country, City”は、自分のお店の名前にしたくらい好きな曲ですね。70年代の西海岸のピースフルな空気感、混沌としたなかで平和を求めるようなヴァイブスが入っていて、凄くいい。のんびりしてるけどハードなところもある。ハーモニカが入ってるのも最高」。

BLACK IVORY『Then And Now』

曽我部「今回は歌ものをたくさん選んでるけど、これに入ってる“Mainline”も歌ものディスコの名曲っすね。もの凄く熱くて太い。DJでかけるとしたら、前半の終わりくらい。ここからアゲて行こうって時にかけるといい気がする。70年代の曲だけど現代的なところがあるから、いまのダンス・ミュージックとも上手く混ぜられるんじゃないかなあ」。

ODYSSEY『Best Of Odyssey』

曽我部「“Inside Out”って曲が、ミディアム・メロウなんだけど青春な感じの泣けるメロディーが乗っていて、めっちゃ好きなんですよね。オデッセイとか、エル・ココとか、サヴァンナ・バンドみたいな、ちょっとノスタルジックなメロディーを歌うディスコ・バンドっていうのが大好き。聴いててキュンとする」。

T.S.MONK『House Of Music』

曽我部「“Candidate For Love”が、みんなが思うキラキラしたディスコの典型って感じのいい曲なんですよ。最初は女性ヴォーカルだけで始まって、そこからグワーッと盛り上がって行く。ディスコの素晴らしい部分を抽出した名曲っすね。ディミトリ(・フロム・パリ)のミックスCD(『After The Playboy Mansion』)にも入ってたな」。

曽我部恵一“LOVE-SICK”

曽我部「これはDJを頼まれたら持って行きますね。締める時にかけると、フロアがあったかくなる。でも、自前の曲でDJの時に使うのは、“LOVE-SICK”と“魔法”くらいかな。DJって、好きな曲をデカい音で聴きたいってのがまずあるから、自分の曲はいいかなって」。

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