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第19回 ─ あこがれ! マイ・アイドル

連載
曽 我 部 恵 一、 POP職 人 へ の 道
公開
2009/03/19   18:00
更新
2009/03/19   18:15
テキスト
文/bounce.com編集部

 ご存知〈キング・オブ・メロウロック〉こと曽我部恵一のマンスリー連載! ご自身のお店〈City Country City〉でも素敵な〈手描きPOP〉を作っている曽我部氏が、タワーレコードのPOPを担当。独自のテーマでCD/DVD/書籍をチョイスし、その作品のPOP作りに挑みます。完成したPOPとセレクション・アイテムは、タワーレコード新宿店の〈曽我部コーナー〉にて展開……というWEB&店舗の連動企画! 今月のセレクション・テーマは、〈あこがれ! マイ・アイドル〉です。

  さてさて、今月のお題は〈あこがれ! マイ・アイドル〉。曽我部さんがリスペクトして止まないアーティストの作品をご紹介します!

寺内タケシとバニーズ 『バニーズ誕生~レッツ・ゴー! 寺内タケシ』

曽我部「寺内さんは、寺内企画って会社の社長なんだよね。経営者兼ミュージシャンの走りでしょう。雰囲気としてはJBに近い。子分がいっぱいいて、〈寺内企画〉ってでっかく書かれたバンドワゴンで移動していて。芸術とかではなくて、飯を食うためにやってる。原始的な人間の営みとしての音楽。ニック・ドレイクみたいな、心がこぼれ落ちるような音楽とは真逆というか(笑)。そういうところが凄くカッコイイし、ロックのパワーを感じる。音は、どれを聴いてもエレキがギンギンの寺内ワールドなんだけど、これはかなりロックンロールで良いっすよ。エレキの神様でいて創始者、と自分で言ってるのも良い(笑)。〈元祖~たこ焼き〉とかってうたってる店がいっぱいある感覚に近いよね。その豪快さに惹かれます」。

内田裕也とフラワーズ 『CHALLENGE!』

曽我部「裕也さんはめちゃめちゃ好きですねえ。存在そのものが凄いでしょ。でも、作品に残らない人で、CD一枚選べって言われても難しいところはあるかもしれない。あと、裕也さんの政見放送を見て笑うみたいなサブカル文化があるけど、あれは違うと思うんだよ。あれこそがロックンロールで、JBも北島三郎も岡村ちゃんも、あれと同じことをやってるだけであって。それを堂々とステージで出来るのが、凄い人なんだよね。だから、サブカル連中が笑おうと関係なしに、裕也さんは輝きまくってると思う。それにしても、裕也さんのソロがあまり再発されてないのは残念だなあ」。

遠藤賢司 『夢よ叫べ』

曽我部「ヒーローであり、ライヴァルでもある……と言うと、おこがましいかもしれないけど、でも、エンケンさんに負けないように頑張ろうっていつも思ってますね。表現の仕方は違うんだけど、歌うこと、音楽をやることの根源を表現してる人だから。僕もそこを目指したい。『夢よ叫べ』は、90年代に久々に出したオリジナル・アルバムなんだけど、凄く良い。タイトル曲がまた良くて、何で自分が歌うのかってことがビシッと込められていて素晴らしいです」。

TRASHCAN SINATRAS 『Cake』

曽我部「彼らが来日するとき、サニーデイ(サービス)で前座やらしてくれって頼んだんですよ。そこから交流が生まれて仲良くなった。高校生の頃から好きなバンドだったから、出会って一緒に演奏するようになったのが凄く不思議ですね。最初にこのアルバムを聴いたとき、自分に近いようなものを感じたんだよね。〈こういう音楽を待ってた!〉という。日本では、遅れて来たネオアコ、みたいに紹介されたけど、彼らの住んでるスコットランドに行くと、日々の生活から自然にこういう音楽が生まれて来たのがよくわかる。田舎の若者たちの素朴で情熱的な青春って感じ。もうすぐ新作が出るけど、それも凄く良いっすよ」。

SERGE GAINSBOURG 『Mauvaises Nouvelles Des Etoiles』

曽我部「ゲンズブールも、まず人として凄く魅力的なんだよね。ナチスに追われたユダヤ人だからか、反権力的な姿勢を根に持ってるんだけど、それをパンクみたいな感じではなくて、スタイリッシュに表明してるのが良い。テレビで、札束に火を付けたり。それは、結構珍しいあり方だと思うし、知的だよね。作品はどれもいいし、あの語りっぽい歌が入ると、どれも同じような感じになる。オケが違うだけで(笑)」。

OZZY OSBOURNE 『Blizzard Of Ozz』

曽我部「オジーはブラック・サバス時代から一貫して好きですねえ。あのヴォーカルに惹かれる。ラモーンズのジョーイ・ラモーンに通じる歌心とか、ロックンロールの軽さを持っていて、ほかのハードロックとは全然違う。エンターテイナー的なところがあるのもキュートだし、そもそも存在感が凄いよね。顔とかさ」。

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