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第22回 ─ 爽快じゃない夏ソング特集! ブルー・チアーほかをレコメンド

連載
曽 我 部 恵 一、 POP職 人 へ の 道
公開
2009/06/17   18:00
更新
2009/06/17   18:14
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文/bounce.com編集部

 キング・オブ・メロウロックが〈手書きPOP〉に挑むマンスリー連載! 曽我部恵一がいま現在気に入っている作品をストレートにレコメンド。曽我部氏の主宰レーベル、ROSEの最新リリース作品と合わせてご紹介します。完成したPOPとセレクション・アイテムは、タワーレコード新宿店の〈曽我部コーナー〉にて展開しますよ! 今月は爽快じゃない(?)夏ソングを特集します。

曽我部「今回は、夏をテーマに選んでみました。どっちも夏の曲を収録した作品なんだけど、TUBEみたいなアッパーな方には行かない(笑)。夏のメロウさ、やるせなさを表現した曲。ダウナーな夏って感じ。僕にとっては、こういう曲こそが、夏なんだよね。自分の曲で言うと、アナログ12インチで出した“Summer '71”も、同じような感覚のある作品かな。これも合わせて聴いてみてください(笑)」。

◆今月の曽我部セレクション

BLUE CHEER 『Vincebus Eruptum』 Mercury(1968)

曽我部「何と言っても、これに入ってる“Summertime Blues”。ガレージ/パンク/メタルのすべてを体現した永遠の名曲なんだけど、こういう音楽はこれしかない。録音の仕方から何から、すべてが間違ってる(笑)。なんでこんな音楽が出来たのか、いまだによくわからない。突然変異的な何か……としか言いようがない。レコーディングも、めちゃめちゃでかい音で演ってるんだろうなってのは伝わってくるんだけど、それでいて、実際にでかい音で録っても、こういう音にはならないんすよ。ブルー・チアーのなかでも、この曲だけが特殊。夏なのに爽快感がない。そこが素晴らしいと思います(笑)」。

KOOL & THE GANG 『GOLD』Mercury

曽我部「このベスト盤に入ってる定番曲が、“Summer Madness”。ファンク・バンドがこんな曲をやるってのが、まず凄い。カーティス・メイフィールドなんかの、温かくてメロウな感じとはまた違う、けだるいメロウネスがあるんだよね。あの有名な、1オクターヴづつ上がっていくシンセのフレーズがひんやり感を醸し出している。クール&ザ・ギャング自体が、もともとジャズの要素が強いクールなバンドなんだけど、そのクールなタッチがこの曲で完成したかなと。テンポは遅いけど、フロアで聴いてもいい。このひんやりしたグルーヴは、ハウスとかテクノにも通じる気がするな」。

◆今月のROSE RECORDS

曽我部恵一BAND 『ハピネス!』 ROSE(発売中)

曽我部「『ハピネス!』はセカンド・アルバムですけど、前作より生々しさが増えたかなって気はしますね。ライヴみたいにして一発で録ってる。とにかく、その時のバンドの姿をそのまま見せようって気持ちが大きかった。下手さみたいな部分も含めて出しちゃう。ちゃんと作り込んでいって、理想とするバンドのかたちを提示することもできたんだけど、今回は飾りのない、現状のソカバンそのまんまですって音で勝負しようかなと。ジャケットなんかも『キラキラ!』と大体同じ(笑)。まあファーストと同じやり方でセカンドも作りたかったんだよね」。

※曽我部恵一BANDによる、子供も大人も一緒に楽しめるカヴァー・ミニ・アルバム『ソカバンのみんなのロック』も6月19日に緊急リリース決定! こちらもお見逃しなく!

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