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第15回――スティール・パンサー

連載
OSHIETAL
公開
2009/08/05   18:00
更新
2009/08/05   18:05
ソース
bounce 312号(2009年7月25日発行)
テキスト
文/山口 コージー


鋼鉄連載〈OSHIETAL〉の時間だぜ。今月は大好評につきちょっぴりスペースを拡大して、一風変わった知られざる大物、スティール・パンサーを教えたる! なぜ〈知られざる大物〉なのか? 見た目はただの時代錯誤なLAメタル・オタクだが、実はマイケル・スターと名乗るヴォーカリストの正体はアトミック・パンクス(ヴァン・ヘイレンのトリビュート・バンド)のラルフ・セインズ、サッチェルなるギタリストは元ファイト(ロブ・ハルフォードがジューダス・プリースト脱退時に結成したバンド)のラス・パリッシュなのだっ!

この2人がタッグを組んで、ヴァン・ヘイレン~ボン・ジョヴィ~モトリー・クルー~ラット~ポイズン、そしてホワイトスネイクといった王道メタルを見事継承。コリー・テイラー(スリップノット)やスコット・イアン(アンスラックス)、ジャスティン・ホーキンス(元ダークネス)にM・シャドウズ(アヴェンジド・セヴンフォールド)らとのライヴ共演も手伝って、彼らの噂が広まるまでにさほど時間はかからなかった。その間、バンド名をメタル・ショップ→メタル・スクールと変えつつ、ようやくスティール・パンサーで落ち着くことに。そしてこの8月にファースト・アルバム『Feel The Steel』で日本デビューを飾るのであ~る!

何より驚きなのは、先ほど書き出したライヴ共演者がすべて今作にゲスト参加していること! 30歳以上の人なら思わず〈○○っぽい〉と思ってしまうこと間違いなしの内容だが、本人たちは至って真面目。メンバーいわく「独特のフィルターを通したサウンド」で、攻撃的なハード・ロック~仰々しいコーラスを配したバラード~キャッチーなポップ・メタルなどを披露している。そう、ただの焼き直しでないのがミソなのだ! 〈イロモノと思われようが、バカな音に聴こえようが関係ねえ〉と言わんばかりに気合い十分で攻め立てる楽曲を前にすれば、LAメタル再燃なんてこともマジで起こりそうな気がしてくるぞ! ちなみにこのアルバムの邦題は〈鋼鉄の女豹〉。また、〈大好きなお前〉〈移り気な俺〉など各曲にもイカしたタイトルが付けられていてたまらないぜ。スティール・パンサーを聴かずしてメタルをカタルべからず! そしてLAメタル復興をめざし、いまこそみんなで立ち上がろうではないか!!

▼『Feel The Steel』に参加したアーティストの作品。