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第110回 ─ Eternal Gift of ROCK 2009 MUNEROCK presents Munetaka Higuchi Forever Our Hero ~EVERLASTING MUNETAKA HIGUCHI~ @ 中野サンプラザ 2009年11月14日(土)

連載
ライヴ&イベントレポ 
公開
2009/11/18   18:00
更新
2009/11/18   18:09
テキスト
文/澄川 龍一

 2008年11月30日に永眠したLOUDNESSのドラマ―、樋口宗孝の追悼ライヴがふたたび東京・中野サンプラザで開催された。5台のドラムによるバトル・セッションをはじめ、熱すぎるミュージシャンたちが繰り広げた〈鋼鉄人の、鋼鉄人による、鋼鉄人のためのステージ〉の模様を、bounce.comでは濃厚にレポートいたします!

  中野サンプラザのホール内は、開演前からずっと場内に流れていたパイプ・オルガンのBGMが流れる厳かな雰囲気。そこから“君が代”へと繋がれ、旧陸軍軍旗をモチーフにしたお馴染みのLOUDNESSロゴをあしらった緞帳があがる。そして“Odin”のシンフォニックなサウンドと共に後方のスクリーンには宇宙船のCGが映され、いよいよ豪華イヴェントがスタートを切った。高崎晃による耳をつんざくフィードバック・ノイズが場内に響き渡り、あの印象的なリフが鳴らされる。そう、“Loudness”だ! ところが、ステージに現れたのは二井原実(ヴォーカル)、山下昌良(ベース)、鈴木政行(ドラムス)の現行LOUDNESSに、横関敦(元BRONX)、福島克彦というツイン・リード・ギターという布陣。初っ端からゲストを交えたセッションで、この日が特別なステージなのだと感じさせる。

  エネルギッシュな5人のパフォーマンスの後は沼本秀樹と井上俊次(LAZY)が登場し、沼本のアコースティック・ギターからレッド・ツェッペリン“Stairway To Heaven”のカヴァーへ。ヴォーカルは二井原と生沢佑一(元TWINZER)だ。途中、ようやくタッカンこと高崎晃が登場し、ギター・ソロを披露。早くもステージ上は多くのプレイヤーで埋め尽くされ、このうえなくラウドで、そして物悲しい〈天国の階段〉が鳴らされた。

  「今日はひぐっつぁんの飲み友達がわんさかと出てきます」という二井原のMCから、続いては現行LOUDNESSによるステージへ。“In The Mirror”などを3曲ほど披露した後は、「年下だけど先輩」という二井原の紹介で影山ヒロノブ(ヴォーカル)が登場。ここからは樋口のアーティスト・デビューでもあり、ジャパニーズ・ヘヴィー・メタルの始まりでもあった伝説のバンド、LAZYの出番だ。「タッカンよろしく!」という影山の掛け声から、高崎による“Dreamer”のリフが鳴らされると、客席からは悲鳴にも似た歓声が起こる。30年前よりもラウドに、だけど30年前から変わらないマジックに満ちた名曲の後は、奥田民生と斉藤和義を交えて再リリースされた“感じてナイト”を披露。影山、というかミッシェルの歌唱も普段より熱のこもった、パワフルなものに感じられた。

  LOUDNESSからLAZYへと、まるで樋口の歴史を遡るようなセットだな……と思っていたら、突然ゴリッと腹に響くような重低音が。ここでいきなり90年代LOUDNESSへと引き戻された。90年代のモダン・ヘヴィーネス・ブームに呼応して生まれた、80年代とはまた別と言っていいバンド――その時のラインナップは樋口、高崎、山田雅樹(ヴォーカル)、そして……沢田泰司! 残念ながら山田は不参加となったけど、沢田を含めた90年代LOUDNESSがまさかの復活を遂げた。それに合わせて高崎のギターもより粘っこくヘヴィーに鳴らされる。体調不良説も囁かれた沢田も重低音を響かせ、高崎とのストリングス・ハーモニーも以前と変わらず聴かせてくれる。ゲスト・ヴォーカリストのレイとYAZZもシャープなシャウトを響かせてくれた。そして、樋口に代わってドラム・セットに座ったのは元LUNA SEAの真矢。沢田と真矢のリズム隊という点でも恐ろしく豪華な布陣である。

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