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THE OTHER HANDS

連載
NEW OPUSコラム
公開
2010/03/05   21:30
更新
2010/03/05   21:39
ソース
bounce 318号 (2010年2月25日発行)
テキスト
文/柴田かずえ

 

クラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤーの面々が結成した、噂のバンド2組をフィーチャー!

 

活動休止状態にある、ブルックリン発のDIYオルタナ・バンド、クラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤー(以下CYHSY)。現在個々で活動中のメンバーがそれぞれ新バンドを結成し、同時期に初作をリリースしたので紹介しよう。まず、すでにソロ作を発表しているフロントマンでキーマンでもあるアレック・オウンスワース。彼が率いるフラッシー・パイソンが『Skin And Bones』を発表した。本作ではCYHSYが持つサイケデリア感にグッと磨きをかけ、アヴァンギャルドでローファイなサウンドに彼独特の歌声が不気味に響き渡る……といった内容に。一方、ギターのロビー・ガーティンとベースのタイラー・サージェントはアンインハビタブル・マンションズを組んで『Nature Is A Taker』をリリース。〈アートの集合体にしたかった〉という彼らの作品には表情豊かで流麗な音世界が広がり、リリカルなギター・サウンドが展開されている。

両者共にCYHSYマナーを持つが、めざすヴェクトルは別。己の出発点でもあるインディー・スピリッツをベースに、よりダークでマジカルな世界を覗く者と、ポップでイマジネイティヴなフィールドに行く者──ファンとしては双方が融合されたケミストリーを望むところではあるが、この活動が今後母体にどんな影響を及ぼすのか、末長く見守って行きたい。

 

▼文中に登場した作品を紹介。

左から、フラッシー・パイソン『Skin And Bones』(Flashy Python.Com/YOSHIMOTO R and C)、アンインハビタブル・マンションズ『Nature Is A Taker』(RALLYE)