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第48回――永遠のタミー・テレル

ESSENTIALS――永遠に残る名曲たち

連載
IN THE SHADOW OF SOUL
公開
2010/12/10   23:22
更新
2010/12/10   23:22
ソース
bounce 327号 (2010年11月25日発行)
テキスト
ディスクガイド/林 剛、出嶌孝次

 

TAMMI TERRELL 『Come On And See Me: The Complete Solo Collection』 Hip-O Select

タミー・モンゴメリー名義で放った60年代前半のシングルから、マーヴィン・ゲイとのデュエットを除くモータウンでの楽曲を未発表/レア音源も含めて完全収録した2枚組のソロ・パフォーマンス集。初期音源では、ジミー・ラドクリフとのデュエットで録られていた“If I Wound Marry You”(ソロ版は64年にリリース)の初公開が話題か。一方、モータウン音源では〈Rare Motown〉と題されたパートが充実。別の編集盤で公開済みの〈ひとり“Ain't No Mountain High Enough”〉や、ジョニー・ブリストルの初期録音曲にタミーが声を被せた“Kissing In The Shadows”などでは彼女らしい明朗な歌声に聴き惚れるばかりだ。ミラクルズの前座として出演した66年のライヴの未発表音源も貴重で、ダイナ・ワシントンやシュープリームスらの曲をメドレーで歌う姿からはタミーのルーツも聴いて取れる。*林

MARVIN GAYE & TAMMI TERRELL 『United』 Motown(1967)

ジョニー・ブリストルとハーヴェイ・フークワが手掛けたソウル史上……というか音楽史上最高のデュエット名盤。胸の高鳴りのようなビートに乗せて瑞々しい愛情を囁き合うような雰囲気は奇跡的だ。シナトラ父娘が原曲の“Somethin' Stupid”さえも初々しい恋人同士のように聴かせる。*出嶌

MARVIN GAYE & TAMMI TERRELL 『You're All I Need』 Motown(1968)

ソングライターとして前作の中核を担ったアシュフォード&シンプソンが、大半のプロデュースを手掛けた2作目。すでに病状が悪化していたタミーは車椅子で録音に臨んだというが、そんな姿を想像もさせない濃密な熱唱ぶりは歌のなかで生き抜かんとする意志の現れだったのか。*出嶌

MARVIN GAYE & TAMMI TERRELL 『Easy』 Motown(1969)

3曲を除いてヴァレリー・シンプソンが代役を務めたとされ、モータウンの冷血ぶりを語る際に引き合いに出される最終作だが、“The Onion Song”など楽曲の質は前2作に劣らず。代役を暴露した頃のマーヴィンがヘロヘロ状態でレーベルと揉めていたと思うと……その定説も危うい? *出嶌

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