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『glee/グリー 踊る♪合唱部!?』

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o-cha-no-ma LONG REVIEW
公開
2011/01/12   13:28
更新
2011/01/12   13:36
ソース
intoxicate vol.89 (2010年12月20日発行)
テキスト
text:東端哲也

うたの力、に誰もが魅了されるドラマ。

日本での放送が待たれる最新・シーズン2も、ブリトニー〈づくし〉のエピソードや、ケイティ本人も大絶賛したという男声アカペラ版《Teenage Dream》等、魅力的なカヴァーが多数登場。大物スターのゲスト出演も目白押しで、スペイン語の代理教師役のグウィネス・パルトロー(※今やカントリー界期待のシンガー?)がノリノリでCee Loの 《Forget You》を歌ったり。噂では来年のスーパーボウル放送日にはついにマイケルの 《Thriller》をマッシュアップした曲が登場予定と、その爆発的人気に更に拍車をかけつつある本作品。オハイオ州の田舎高校の合唱部が次にどんな楽曲を採り上げるのか、今や世界中の音楽ファンが大注目している…などと書くと「〈若いダウンロード世代が〉ってことでしょ?」と訂正されそうだが…それは違う!! 元々ブロードウェイ出身者が多い米国TVドラマ界だが、『glee』の主要キャストも殆どが舞台経験のある実力派たち(※主演の2人は6月のトニー賞授賞式にも呼ばれて会場を大いに沸かせた)であり、彼らの恐るべき歌唱力と卓越したダンスパフォーマンスが、最新ヒットチューンのみならず、80年代ロックやミュージカルのスタンダード曲を輝かせる様は圧巻。オペラ・アリアに偉大な歌い手たちが生命を吹き込む瞬間を愛する〈intoxi世代〉もきっと心を掴まれるはずだ。

加えて、超一級のコメディ作品でありながら、10代が抱える〈いじめ〉やゲイ男子のアイデンティティ-問題に鋭く斬り込んだストーリーもかなり秀逸。かつて、整形外科医を通して人間の深い〈業〉を描いたセンセーショナルなドラマ『NIP/TUCK』を手がけたあの、ライアン・マーフィーがクリエイターなだけに、その面白さは毎回期待を裏切らない。日本でも今回のDVD初上陸を機に(※全米アルバム・チャートを席巻したサントラ4枚も国内盤リリース決定!)ファン層拡大は必至だ。後は、キャストによる来日公演ツアーの実現を願うのみ!


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