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ヴィーナス・マスターピース・コレクション

カテゴリ
o-cha-no-ma LONG REVIEW
公開
2011/01/13   19:42
更新
2011/01/13   19:55
ソース
intoxicate vol.89 (2010年12月20日発行)
テキスト
大江雅幸(新宿店)

ヴィーナス・レコードが誇る名盤および、新定番アイテムが堂々、復刻!

9月から続々と復刻が続く、ヴィーナス紙ジャケット¥1500シリーズもいよいよラストランを迎える事となりました。改めてシリーズを通して一貫されているジャケット・デザインを眺めると、妖艶で美麗なそのデザインにうっとりしてしまいます。第3弾からはエリック・アレキサンダー『レイジー・アフタヌーン』をはじめとした2009年リリース・アイテムはもちろんの事、ニッキ・パロット『ブラック・コーヒー』をはじめとした2010年リリースの最新作までも¥1500!という大盤振る舞いですから、年末はヴィーナスを聴き漁る。これに尽きるといったところでしょうか?

今回はレーベルにおける看板アーティストの一人、エリック・アレキサンダーを中心に話しを進めていきたいと思います。68年生まれ、若手プレイヤーの中では間違いなく頭一つ抜きん出た存在であるエリック。繊細なバラードから渾身のブロウまでを吹きこなすスケールの大きなプレイヤーであり、テナー・サックスのもつ伝統的で豊かなサウンドを伝承する姿はソニー・ロリンズを彷彿とさせます。〈ジェントル・バラッズ〉シリーズにおけるふくよかな表現力に溢れた演奏は白眉であり、12月15日発売のヴィーナスにおける現時点での最新録音、ジョン・コルトレーンに捧げた『チム・チム・チェリー』は若い世代にじっくりと味わって聴いてもらいたい一枚です。《アフロ・ブルー》《夜は千の眼を持つ》など、現代のジャズが誇る、最高にスリリングな演奏を聴かせてくれますので持ってない方はこの機会に是非、お買い求め下さい。

あわせて紹介したいのが伊ジャズの黄金期を支えた名ピアニスト、レナート・セラーニです。冒頭でも述べましたが妖艶で美麗。というキーワードが個人的には最もハマるのが彼だと思っています。ジャンニ・バッソ、オスカー・ヴァルダンブリーニ、ジョルジオ・アッゾリーニ、ディノ・ピアナらと共に築きあげてきた黄金時代を掘っていただくのはもちろんの事、11月発売の『マイ・フーリッシュ・ハート』における繊細かつ、流麗に紡がれるスタンダードの数々に舌鼓を打っていただきたいですね。

さらにチェックしていただきたいのが、若手ピアニストの注目株であるダン・ニマーとビル・チャーラップ。重鎮、ケニー・バロンに注目の女性シンガー、ニッキ・パロットと枚挙にいとまがない。年末年始はヴィーナス漬けのジャズライフを…。

 

【2010年9月15日発売】シリーズ第1弾はコチラ
【2010年10月20日発売】シリーズ第2弾はコチラ
【2010年11月17日発売】シリーズ第3弾はコチラ

【2010年12月15日発売】シリーズ第4弾はコチラ