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DIVA RULES!

連載
NEW OPUSコラム
公開
2011/02/15   13:43
更新
2011/02/15   13:44
ソース
bounce 328号 (2010年12月25日発行)
テキスト
文/村上ひさし

 

各国を代表する歌姫たちの最新ツアーDVDを観比べよう!

 

 

いまをときめく日英米の3大歌姫が前後してライヴDVDをリリース。年末年始の休日にじっくり鑑賞するのにうってつけとなりそうな巣ごもり3点が出揃った。まずは日本から、われらが安室奈美恵の、約8か月80公演に及んだ最新ツアーから東京公演を収めた「namie amuro Past<Future Tour 2010」。巨大なアリーナ・ツアーとはひと味違うホールならではのステージは、歌とダンスに特化されたストイックな構成。美脚がどうのこうのと話題の女子グループも台頭しているが、ロングブーツを履いた彼女の足捌きは鮮やかでサスガ。前半のスタイリッシュに纏め上げたパフォーマンスも良いが、やはり観どころは“Dr.”以降の中盤からラストにかけて。肩の力が抜け、軽やかにステップを踏みながら汗ばんで熱唱する姿がとにかく眩しいのだ。

 

 

続いて英国からは、レオナ・ルイスのファースト・ツアーから地元ロンドン公演を収録した「The Labyrinth Tour: Live From The O2」。日本ではまだ正規公演が実現していない彼女だけれど、本国における絶大な人気に驚きつつ、映画「ラビリンス 魔王の迷宮」をモチーフにしたという幻想的なステージに魅了される。アクロバット・ダンサーなどを率いたステージは、レオナのバラード・シンガーというイメージを覆すもの。ドナ・サマーのカヴァーでお馴染みのバニー・マニロウ“Could It Be Magic”を披露しているように、ドナと同様、ストーリー性のある世界観を描けるシンガーなのだと納得させられた。歌唱力が圧倒的なのはもちろんのこと、身のこなしがことのほか軽やかなのは意外な発見かも。

 

 

そして最後は米国のビヨンセによる「I Am...World Tour」。〈世界の歌姫〉の名に相応しい、世界各地のステージからの模様が集められた観応えのある一本だ。当然ながら日本公演もチラッと挿まれていたりするので映っている人もいるはず。壮大なスケールとパワフルな歌とダンス、また日本では実現しなかった空中遊泳も見せてくれる。〈この仕事をするために生まれてきた〉とみずから語るビヨ様が、全力投球で邁進する姿は感動的であり、体力やスタミナにも感心させられた。その実、努力家という一面はボーナス収録のドキュメンタリーで確認できるだろう。バックステージの様子のみならず、衣装担当のティエリー・ミュグレーとの会談やスタッフ会議、リハーサルに至るまでの約1年間に渡る下準備のプロセスを追った映像は、ファンなら必見だ。

というわけで、カワイイ度ならいちばんはやはり安室ちゃん、お姫様度なら断然レオナ嬢、ディーヴァ度なら間違いなくビヨ様……と勝手に結論を出しちゃいました。

 

▼文中に登場した作品を紹介。

左から、安室奈美恵のライヴDVD「namie amuro Past<Future Tour 2010」(avex trax)、レオナ・ルイスのライヴDVD「The Labyrinth Tour: Live From The O2」(J/ソニー)、ビヨンセのライヴDVD「I Am...World Tour」(Music World/Columbia/ソニー)