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第50回――ロニー・マクネアの温もり

ESSENTIALS――歴史に刻まれたロニーの仕事たち

連載
IN THE SHADOW OF SOUL
公開
2011/03/31   17:07
更新
2011/03/31   17:08
ソース
bounce 329号 (2011年2月25日発行)
テキスト
ディスクガイド/林 剛、出嶌孝次

 

RONNIE McNEIR 『Ronnie McNeir』 RCA/Dusty Groove America(1972)

記念すべきファースト・アルバム。後見人のミッキー・スティーヴンソン&キム・ウェストン夫妻が裏方として参加し、リオン・ウェア作の“Trouble's A Loser”も含む本盤には、ニュー・ソウル時代らしい緊張感が漲っている。軽くファンキーなのは、トニー・メイデンやボビー・ワトソンら、後のルーファス組の参加が影響しているのかも。*林

RONNIE McNEIR 『Ronnie McNeir』 Prodigal/Pヴァイン(1975)

一段とメロウ度を増し、ロニーならではの妖しくモダンなセンスが光るプロディガル発の2作目。盟友オービー・ベンソンやキム・ウェストンとの共作曲を収録し、シンセやリズムボックスの使い方にも革新性を見せる。“Wendy Is Gone”“Nothin But A Heartache”といったステッパーズ・アンセムを生んだ作品としても後に話題となった一枚だ。*林

RONNIE McNEIR 『Love's Comin' Down』 Motown/Expansion(1976)

クラレンス・ポールの助力を得てモータウンに残した唯一のアルバムは、同時期のマーヴィンが軽みを纏ったような逸品。ディスコ時代を睨んでよりダンサブルになった意匠が、ロニー生来の明朗ネス&メロウネスと相まって、いい湯加減のグルーヴを生み出している。この復刻盤にはモータウンで予定されていた次作用の未発表音源も7曲ボーナス収録! *出嶌

SMOKEY ROBINSON 『Solo Albums 3』 Hip-O Selec

モータウン在籍時のロニーは、同社の重鎮が発表したブラック・ムーヴィーのサントラ『Big Time』(77年)にアレンジャーとして参加。オルガンをバックに歌うクワイアの激しいパフォーマンス(“He Is The Light Of The World”)などにロニーらしいアレンジ・センスを見る思いだ。テナーの歌い手という点でも、スモーキーは憧れの存在だっただろう。*林

DAVID RUFFIN 『Gentleman Ruffin』 Warner Bros./ヴィヴィド(1980)

最近ではウィズ・カリファのミックステープ『Kush & OJ』にジャケが引用されたことで名を上げた(?)一枚。ロニーはリオン・ウェアと共に4曲のバック・コーラスに参加している。プロデュースにあたるドン・デイヴィスは、ジョニー・テイラー『Ever Ready』(78年)を手掛けた際にロニー作の“Give Me My Baby”を採用していたという縁もアリ。*出嶌

TEENA MARIE 『Starchild』 Epic/ソニー(1984)

昨年末に急逝したティーナ・マリーとは、70年代中期に一瞬だけモータウンの仲間だったこともあるロニー。エピックに移った彼女に招かれてデュエットしたのが、本作に収録された“We've Got To Stop(Meeting Like This)”だ。リック・ジェイムズと彼女の“Fire And Desire”を連想させる濃密なスロウ・バラードで、こちらも男女デュエット屈指の名曲と言っていい。*林

THE FOUR TOPS 『Something To Remember: The Casablanca Sessions』 Shout! Factory

古くからの付き合いで、現在は自身もメンバーとなっているフォー・トップス。ロニーは、この2in1 CDに収録されたカサブランカ原盤の『One More Mountain』(82年)にてメンバーのオービーと“Keep On Lightin' My Fire”を共作している。80sなサウンド上でロニーらしいモダンなセンスが光る好曲だ。*林

DAVID RUFFIN & EDDIE KENDRICKS 『Ruffin & Kendrick』 RCA/Superbird(1987)

テンプテーションズ黄金期のリード・シンガーによるデュオ盤で、ロニーはソングライト/プロデュース/演奏に関与。60sモータウン・ビートを再現した“I Couldn't Believe It”、レゲエ風リズムの“Don't Know Why You're Dreaming”がそれで、モータウンの先輩ふたりをサポートしながら、ロニー自身の音楽ルーツも垣間見せている。*林

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