こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

NEWS & COLUMN ニュース/記事

THA BLUE HERB

連載
NEW OPUSコラム
公開
2011/04/04   14:51
更新
2011/04/04   14:51
ソース
bounce 329号 (2011年2月25日発行)
テキスト
文/一ノ木裕之

 

ライヴ活動休止前の、鍛え上げられたステージを克明に記録した映像に背筋がピーンッ!

 

 

昨年10月の北海道・北見のステージを最後に、新たなるアルバムの制作をめざしてライヴの無期限休止に入ったTHA BLUE HERB。『LIFE STORY』(2007年)を発表してから約3年半、179回に及んだステージの締めを飾った15公演の映像が2DVDとしてまとめられた。2010年春以降のツアー・タイトルが付された「PHASE 3.9」である。

彼らのDVDと言えば、『LIFE STORY』後のツアー前半戦を収めた「STRAIGHT DAYS/AUTUMN BRIGHTNESS TOUR '08」(2009年)が思い出されるところ。そちらが2008年のツアー・ファイナルのフル映像と、ツアーに密着してメンバーの人間性を窺わせるDVDとの2枚組だったのに対し、今回は各地のライヴ映像とインタヴューが中心となっている。監督はBOREDOMS「77BOADRUM」でも知られる川口潤が、“この夜だけは”のPVに続いて手掛けた。ツアー終盤を迎えて磨きのかかったILL-BOSSTINOとDJ DYEのコンビネーション、曲と地続きなパフォーマンスとも言うべきILL-BOSSTINOによる曲間のMC、語りかけるILL-BOSSTINOに喰い入るような視線を向けるオーディエンスたち——それらを次々と捕らえるDVDにあって、しばしの別れに名残りを惜しむライヴ最後のILL-BOSSTINOと観衆のやりとりはここでも印象的だ。それはツアーの大団円と言うに相応しいシーンを作り出している。

なお、DVDに続いて、ILL-BOSSTINOが選曲したコンピのリリースも決定。アーティストの内面に迫るシリーズ〈Inspirations〉の第1弾となる同作には、彼が10代から聴き続けているSIONの“月が一番近づいた夜”をはじめ、札幌のフロアで浴びるように聴いてきたであろうクラシック、曲作りの刺激となった音源が13曲収められている。

 

▼関連盤を紹介。

THA BLUE HERBの2009年のDVD「STRAIGHT DAYS/AUTUMN BRIGHTNESS TOUR '08」(THA BLUE HERB RECORDINGS)

RELATED POSTS関連記事