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KEN THE 390 『ONE』

連載
SPOTLIGHT!
公開
2011/04/07   13:30
更新
2011/04/07   13:31
ソース
bounce 329号 (2011年2月25日発行)
テキスト
文/一ノ木裕之

 

シーンへの目配せも怠ることなく、自身の表現をポップに広げた新作が完成!

 

ダースレイダー主宰のDa.Me.Recordsをレコーディング・キャリアの出発点に、近年はメジャーへと舞台を移して活動中のラッパー・KEN THE 390。昨年春にはレーベル移籍後初のアルバム『NEW ORDER』を発表している。リリースに際してはUSTREAMでのプロモーションを展開し、その年の夏には同作収録曲のリミックスを含む7曲入りの『NEXT ORDER』をフリーで配信するなど、ネットを通じて積極的な動きも見せた。そして、ふたたびネットでの煽りと共に1年を待たずしてメジャー2作目となるニュー・アルバム『ONE』が登場。前作にも参加していたIXLがメイン・プロデューサーとして大半のトラックを手掛けた作りも手伝ってか、〈壁壊すのではなく窓を開ける〉(“世界の終わり”)という一節がまさに『NEW ORDER』からここへの流れを端的に示すかのような仕上がりで、これまで以上にKEN THE 390の存在が迫ってくる——〈俺は歌う俺なりのブルース〉(“雨の降る街”)と歌う彼を誰が予想しただろうか。もっとも、COMA-CHIや清水翔太、青山テルマ、童子-Tらとの各共演に、DJ Mitsu the Beatsに竹内朋康、DJ WATARAIらプロデューサー陣が加わって晴れやかな船出となった前作に続き、今回も仕掛けはそこかしこに。なかでもEvery Little Thingのヒット曲“fragile”を大胆にサンプリングした“壊れやすいもの”は、前作でもとみに見せたポップ路線を大いに極めるものだ。

その一方で、日本語ラップ・シーンなど現場への目配せもさらに効いている。RAU DEFやSHUN、KOPERU、AAAの日高光啓a.k.a. SKY-HIといった新世代たちを巻き込んだ“What's Generation”は本作随一のラップ・チューン。またタイトルのままに、AFRAのビートボックスにサイプレス上野、鎮座DOPENESSが顔を出すボーナス・トラックの“AFRAとサ上鎮座390~RUN BEAR RUN~”では、それとは真逆の軽やかな弧を描いている。さらに、前作に収録された“THE DOOR”を気鋭のプロデューサー/DJであるGUNHEADがリミックス。日本語ラップのエレクトロ・リミックスで話題を呼ぶ彼がアッパーに仕上げた同曲は、本編とは一線を画す圧倒的なヴォルテージを最後にもたらすだろう。

 

▼関連盤を紹介。

左から、KEN THE 390の2010年作『NEW ORDER』(rhythm zone)、RAU DEFの2010年作『ESCALATE』(ファイル)、AAAのニュー・アルバム『BUZZ COMMUNICATION』(avex trax)、AFRAの2009年作『Heart Beat』(rhythm zone)、鎮座DOPENESSの2009年作『100% RAP』(W+K Tokyo Lab/EMI Music Japan)

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