CDリリースも活発になってきたダブステップの最重要レーベルから強烈な連弾が轟く!!
マーラとコーキによる南ロンドン屈指のダブステップ・チーム=デジタル・ミスティックズ。UKに息づくレゲエやダブ、ベース・ミュージックのルーツ文化の意匠を守りながら、いまなお新たなステップを生み出し続ける彼らの姿勢には、リスナーはもちろん同業者からの信頼も厚い。ジェイムズ・ブレイクも彼らのフォロワーであることを公言し、最近のライヴでは“Anti War Dub”のカヴァーを披露しているほどだ。そんなデュオがDMZとは別に2006年に立ち上げたレーベル=ディープ・メディには、黎明期から野太く受け継がれてきた〈オリジナル・ダブステップ〉が数多く残されている。ここではそのラインナップに新たに追加される2つの作品を紹介しよう。
まず、レーベルのドキュメント第3弾となる『Deep Medi Releases Vol. 3』では、シリーズに唯一3連続でトラックが収録されている日本代表・GOTH-TRADが世界と狂振するベースラインで頼もしきマッド・レイヴァーぶりを披露している点に注目してほしい。その一方で、スクリームは地下のダンサーたちを硬いスネア一発で仕留め、トゥルースのトラックは〈これがダブステップだよ〉とのた打ち回り、クエストの描くシャングリラは絶句するほどの美しさだ。
そして同コンピにも名を連ね、先日待望の来日も果たしたシルキーのセカンド・アルバム『City Limits Volume 2』も到着。遠慮のない低音やビートに没頭してしまうダブステップの醍醐味を、まさに黒い絹のようなジャズ〜ソウルの光沢で包んでアーバン味に仕上げている。地下で崇拝されてきたレーベルの扉をこの作品で開けてしまう人は決して少なくないはずだ。
▼文中に登場した作品
左から、ディープ・メディの最新レーベル・コンピ『Deep Medi Releases Vol. 3』(Deep Medi)、
シルキーのニュー・アルバム『City Limits Volume 2』(Deep Medi/Pヴァイン)
▼関連盤を紹介
左から、デジタル・ミスティックズ“Anti War Dub”を収録したメアリー・アン・ホッブスのコンピ『Warrior Dubz』(Planet Mu)、2010年のレーベル・コンピ『Deep Medi Releases Vol. 2』、シルキーの2009年作『City Limits Volume 1』(共にDeep Medi)