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BOXON

連載
NEW OPUSコラム
公開
2011/07/11   15:58
更新
2011/07/11   15:58
ソース
bounce 332号 (2011年5月25日発行)
テキスト
文/出嶌孝次

 

フレンチ・エレクトロの新勢力が日本上陸!!

 

キツネはニューウェイヴ系のバンド主体にシフトしているし、インスティテューブスはサウンド・ペレグリーノを残して運営を終了。また、最近のエド・バンガーはブレイクボット“Fantasy”やカシアス“I <3 U So”(ヤバい)で注目だ。そのように〈フレンチ・エレクトロ〉の文脈で一時代を築いたレーベルは、それぞれ志向や守備範囲を多様化させながら転機を迎えている。そんななかで先達を猛追しているのがボクソンだ。

2007年にボルドーで設立されたボクソンは、トム・デラックスらのトラックを配信で発表して脚光を浴びてきた。今回紹介する2タイトルは同レーベルにとって初のCDアルバムだ。まず、4人組バンド編成のウィー・アー・テロリスツが放った『Wonder』では、かつてのサウス・セントラルにも通じるソング・オリエンテッドな作風が存分に楽しめる。一方、ディレムの『Better World』は配信のみで出ていたブツの待望のCD化。ターボからもリリースしていた彼らしく、ベース・ミュージック文脈のエレクトロ・ブレイクスを中心にヘヴィーにして彩り豊かなアルバムになっている。いずれにせよ、ガッツポーズ系のエレクトロが欲しけりゃ、いまはボクソンでしょ!

▼文中に登場した作品

左から、ウィー・アー・テロリスツのニュー・アルバム『Wonder』(Boxon)、ディレムのファースト・アルバム『Better World』(Boxon)