NEWS & COLUMN ニュース/記事

BO NINGENのサイケデリック見世物小屋(第1回)

連載
皿えもん
公開
2011/07/19   16:00
更新
2011/07/19   16:01
テキスト
文/Taigen(BO NINGEN)

 

アーティストが各テーマに沿ったお皿(CD)を紹介する連載に、今月からBO NINGENが登場! 海外では日本の音楽がどう捉えられているのかを、イギリス在住の彼らの視点でお届けします!!


皿えもん_BO NINGEN_1

 

[ 今月の夜話盤 ] 不失者 『1st』 P.S.F.

 

BO NINGEN、ベース/ヴォーカルのTaigenです。

日本を離れてから気付いたのが、日本人アーティストの国内と国外での知名度の違いです。
日本では〈アングラ〉扱いのアーティストが、ヨーロッパでは相当有名で大会場で超満員……というのもよくある話。

僕自身も、日本にいるときより海外に出てからのほうが、日本の音楽に詳しくなりました。
今回取り上げる、 不失者の中心人物である灰野敬二さんはそんな僕のなかの日本の音楽、そして音楽そのものの可能性を広げてくれた方です。

5年ほど前にロンドンで灰野さんのライヴを初めて観た後に、僕はボロボロと泣き崩れてしまいました。
ライヴをただ〈観る〉のではなく〈体験〉と感じた初めての経験で、自分のなかの毒が一気に出たような。
他の不失者や灰野さんのソロ作品と比べると、このCDからは、ライヴ録音とスタジオ録音の中間的な音像も相まって、そのときの衝撃/感覚にいちばん近いものを感じます。
そして僕は、ギターや声の美しさでこのアルバム以上に美しい作品を聴いたことがありません。

それはとても人間的で、エフェクターやテクニック云々では表現できない根本的な美しさです。
灰野さんの作品ではいちばん聴きやすい作品でもあると思うので、ぜひともいろいろな方に聴いていただきたい作品です。

 

PROFILE/BO NINGEN

Taigen(ヴォーカル/ベース)、Kohhei(ギター/エコー/ファズ)、Yuki(ギター/エコー/ファズ)、Mon-chan(ドラムス/ポールダンス)から成る、ロンドン在住の日本人男性4人組バンド。2009年、UKのストールンから限定EP『Koroshitai Kimochi』でデビュー。元カンのダモ鈴木やファウストらとの共演を重ね、その強烈なサイケ感を纏ったサウンド/破天荒なライヴ・パフォーマンスはホラーズのファリス・バドワンにより絶賛される。2010年11月に発表したファースト・アルバム『Bo Ningen』(Stolen/Knew Noise)は海外メディアから好評価を獲得し、2011年4月には日本盤化。7月21日からは日本ツアーも控える。今回紹介した灰野敬二とも共演する東京公演〈STYLE BAND TOKYO & BO NINGEN presents FAR EAST ELECTRIC PSYCHEDELIC vol.2〉を皮切りに、盛岡、仙台、大阪、京都、名古屋と巡り、ファイナルは8月7日に東京・渋谷club asiaで行われる〈STYLE BAND TOKYO 4th ANNIVERSARY - STYLE BAND TOKYO compilation vol.1 Release Party! -〉の予定。詳細については、こちらのサイトをご覧ください。

 

RELATED POSTS関連記事