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KINGの逆襲

連載
NEW OPUSコラム
公開
2011/07/20   15:17
更新
2011/07/20   15:34
ソース
bounce 334号(2011年7月25日発行)
テキスト
文/岡村詩野


まさかのメジャー〈再〉デビューを果たすKING BROTHERSとその周辺が、何やら熱い!



関西ゼロ世代のバンドたちが周りでどれだけ暴れようが、KING BROTHERSは常に世界基準で活動してきた。だから、約8年ぶりにふたたびメジャーからミニ・アルバム『KILL YOUR IDOL』を発表した意味は大きい。彼らにはやはり最前線で攻撃していてほしいからだ。いつものようにライヴの熱気を持ち込んだ楽曲を並べているが、休むことのないツアーで得た瞬発力としなやかさが、とりわけルーズさとタイトさを上手く混淆させたビートに表れているフィジカルな一枚。鍛え抜かれた肉体を目のあたりにしたような思いだ。

またその勢いに乗って、KING BROTHERSのマーヤとシンノスケに、紅一点のリンダdadaを加えた3人組、N'夙川BOYSも同時にメジャー・デビュー。ライヴではパートを固定しないフレキシブルなパフォーマンスが人気だが、ミニ・アルバム『PLANET MAGIC』でも良い意味での無責任なおもしろさが随所に織り込まれている。KING BROTHERSが伝統的なブルースの下地をしっかり消化しているとしたら、こちらはそれらをヘラヘラと崩そうとしているような……。