こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

NEWS & COLUMN ニュース/記事

P-FUNK

連載
NEW OPUSコラム
公開
2011/08/12   18:01
ソース
bounce 332号 (2011年5月25日発行)
テキスト
文/轟ひろみ

 

深いファンクの迷宮へようこそ!!

 

Parliament_A

 

当然のことですが、歴史が日々更新されるにつれ、過去の出来事もどんどん積み重ねられていきます。そういった事象を後世から遡ろうにもどれが正しい情報なのか、その判断のための指針すら昨今ではなくなっているようですね。殊に、その対象がPファンクのようなアメーバ状態の運動体であれば、なおさら的確なナヴィゲーションが必要なのは言わずもがな。そんなわけで初心者にも熱狂的なファンカティアにも最適なガイドとなるのが、長きに渡ってPファンク探求を続けてきた音楽評論家・河地依子による研究書「P-FUNK」です。

過去には総帥ジョージ・クリントンの自宅取材を敢行したことでも知られる著者だけに、メンバー個々へのインタヴューをベースにした記述からは、年表やクレジットのような〈正史〉だけでは見えてこない事実や真実も見えてきます。帯文に寄せられたジョージ自身の言葉〈Yoriko is No.1 P-Funk researcher〉が中身を物語っていますが、ジョージやブーツィー・コリンズ、バーニー・ウォーレルといった中心人物だけじゃなく、膨大なミュージシャンたち各々に均しく注がれた眼差しの温かさが素晴らしいんです。

それとタイミングを合わせるようにして、ブーツィー絡みのライヴ映像がドッとDVD化。ロクに聴きもしないで勝手に〈愉快なおじさん〉扱いしている人は、骨太なミュージシャンシップにブッ飛ばされてください!

▼関連盤を紹介

左から、ブーツィーズ・ラバー・バンドのライヴDVD「Stretchin' Out Live 1976」、「Player Of The Year 1978」、「Houston Summit 1978」、ブーツィーズ・ニュー・ラバー・バンドのライヴDVD「Live In Japan 1993」(すべてPヴァイン)