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トベタ・バジュン

連載
NEW OPUSコラム
公開
2011/09/06   21:38
更新
2011/09/06   21:38
ソース
bounce 335号 (2011年8月25日発行)
テキスト
文/澤田大輔

 

彼の多重人格ぶり(?)を感じさせる2作品!

 

ポップスと現代音楽の間を軽やかに行き来するトベタ・バジュンの関連作が、2枚続けて登場しましたよ。まず、新名義MACHO ROBOTの『SPACE DRIVE』は、エレクトロに真正面から向き合った問題作。このジャンルのトレードマークである歪んだ電子音を全編に轟かせつつ、キリンジの堀込泰行をフィーチャーしたシティー・ポップ調のナンバーや、トロピカルな装いのヒップホップなど、ヴァリエーション豊かなサウンドを展開しております。ダフト・パンクのフレーズまで拝借しちゃう無茶っぷりから察するに、ギャグ込みの作品かと。爆笑しながら踊りたい!

対してPROGRESSIVE FOrMからリリースされる『white sonorant』は、ATAK所属の電子音楽家であるevalaとのコラボ・アルバム。こちらでトベタはピアノ演奏に徹しており、そのノーブルな旋律や残響音などをevalaがバラバラに分解&再構築。ドローン〜アンビエントを基調としたサウンドスケープはただならぬ緊張感に満ちており、心穏やかに座して対峙したい。電子音響の最前線を切り拓く一枚でしょう。トベタのワイドすぎる音楽志向を示すかのようにまったくもって対照的な、それゆえに興味深い両作でした。