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高橋芳朗 HAPPY SAD 甘酸ジュークボックス――【第2回】散歩

連載
高橋芳朗 HAPPY SAD 甘酸ジュークボックス
テキスト
談/高橋芳朗、川瀬良子


今月の甘酸キーワード[ 散歩 ]



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高橋「毎月あるキーワードから連想した甘酸っぱい曲をアシスタントの川瀬さんにプレゼンしていく選曲エンターテイメント、第2回のお題は〈散歩〉です!」

川瀬「おー、散歩大好き!」

高橋「まず聴いてほしいのはラファエル・サディークの“Let's Take A Walk”。〈そのへん軽く歩かない?〉って女の子をパーティーから連れ出そうとする曲ですね」

川瀬「酔い覚ましに夜の街を散歩する感じかな……こういう経験ってあります?」

高橋「うーん、ないかも。ある?」

川瀬「まったくないです」

高橋「…………」

川瀬「…………」

高橋「ダメだね」

川瀬「目撃したことならあるけど」

高橋「やっぱり抜けがけは勇気いるよ……周りの目もあるから」

川瀬「まずそっちが気になっちゃいますよね。でもこういうふうに二人で時間を共有するの、なんかいいなー」

高橋「途中で公園に寄ってブランコ乗ったりしてね」

川瀬「吐きますよ、酔っぱらってたら」

高橋「あったかい缶コーヒー買ってきてほっぺたにくっつけて〈あちっ!〉みたいな……いろいろ広がるなー」

川瀬「好きなだけやっててください」

高橋「そのときのBGMはこんな曲でどうでしょう? フェアーグラウンド・アトラクションの夜の定番お散歩ソング“Walking After Midnight”。パッツィ・クラインが57年に放ったヒット曲のカヴァーです」

川瀬「わー、おっしゃれー!」

高橋「明るい曲調に反して、恋人に思いを馳せながらひとりで夜の街を歩く切ない内容なんだけどね。で、この曲の歌詞から連想したのがこれ。紅葉のセントラル・パークをメグ・ライアンとビリー・クリスタルが散歩デートしてるサントラのジャケも素敵なロマンティック・コメディーの名作『恋人たちの予感』。この映画のクライマックスって、ビリーが夜のマンハッタンを散歩するシーンから大団円になだれ込んでいくんですよ。彼はあれこれと思いをめぐらせながら街を歩く過程でメグへの愛を再確認するわけです!」

川瀬「(『恋人たちの予感』のラストシーンを観て)あー、こんなプロポーズをきめられてみたいものですなー。散歩って、物事を冷静に考えたりするのにちょうどいい時間なんでしょうね。私もよく音楽聴きながら散歩して浸ってます(遠い目)」

高橋「うんうん。浸り散歩は僕もよく夜中にやってるからわかりますよ(遠い目)」

川瀬「……それ、散歩っていうか徘徊なんじゃないですか?」



▼今月の甘酸皿を紹介。

左から、RAPHAEL SAADIQ『The Way I See It』Columbia(2008)、FAIRGROUND ATTRACTION『The Best Of Fairground Attraction』RCA、HARRY CONNICK JR.『When Harry Met Sally...』Columbia(1989)



『高橋芳朗 HAPPY SAD』


TBSラジオで毎週日曜夜6時30分から絶賛生放送中、日曜夜のメロウな憂鬱をそっとなぐさめる新感覚音楽番組。パーソナリティを務める音楽ジャーナリストの高橋芳朗(写真右)とアシスタントの川瀬良子(写真左)が、あなたの甘酸っぱい記憶にチューニングイン! こんなやり取り、毎週聴けます! 番組情報は〈www.tbsradio.jp/happysad/〉まで! 〈甘酸ジュークボックス〉はタワレコ新宿店でも展開中!



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