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プラスティック トゥリーの名盤夜話(第10回)

連載
皿えもん
公開
2011/12/01   18:00
更新
2011/12/01   18:00
テキスト
文/長谷川正(Plastic Tree)


アーティストが各テーマに沿ったお皿(CD)を紹介する連載! プラスティック トゥリーは、メンバー4人が交代で今昔名盤夜話をお届けします。第10回の担当は長谷川正!!



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[ 今月の夜話盤 ] ブランキー・ジェット・シティ 『C.B.Jim』 EMI Music Japan



ロック・バンドの編成パターンは数あれど、
もっとも伝統的な最小単位はギター+ベース+ドラムスのトリオでしょう。
そしていずれかのプレイヤーが唄う。
人数が少ないぶんシビアな面はありつつも、
ひと塊になった時の破壊力は抜群だと思います。

実はこの編成、自分ではあまり経験したことはないのですけど、
好きなアーティストは多いのです。
代表的なところでは初期のキュアーとか、ニルヴァーナとか。
そんななかでも忘れられない存在としてブランキー・ジェット・シティがいます。
ということで、今回は彼らのサード・アルバム『C.B.Jim』を挙げてみました。

この作品の印象を一言でいうならば〈『C.B.Jim』という映画〉です。
もちろん映像はありません。しかし映像的なのです。
核となる3人の鋭利な声と音で描かれるのは、
さまざまな登場人物の視点を通した現実とも非現実ともいえない世界。
その風景をより鮮明にする、時に繊細で、時に狂気じみた言葉たち。
ロックンロールがここまでの表現力を持てるということを、
この作品は理屈抜きにカッコいい形で示しています。
1曲目の“PUNKY BAD HIP”からラストを飾る“悪いひとたち”までの流れにもどんどん引き込まれて、
全体に漂う〈世界に対する諦観〉のような雰囲気が、
最後には救いをもって締め括られることで聴き終わった後も深い余韻を残すのです。

音楽の素晴らしさって何だろう?と考えた時、
個人的な答えとしては感情が揺さぶられることに加えて、
想像力が刺激される点が浮かんできます。
音と自分の喜怒哀楽がシンクロして心に残る日常性も、
音が描き出すイメージに身を任せられる非日常性も、
音楽の大きな魅力だと思うのです。
そういった部分で、このアルバムは本当に理想的な作品であり、
自分もそういった作品を作りたい!と思うきっかけを与えてくれた一枚なのです。



PROFILE/プラスティック トゥリー


有村竜太朗(ヴォーカル)、長谷川正(ベース)、ナカヤマアキラ(ギター)、佐藤ケンケン(ドラムス)から成る4人組ロック・バンド。11枚目のアルバム『アンモナイト』を掲げた秋ツアーのファイナル・両国国技館公演の模様を収録したライヴDVD「実演版 アンモナイト」(J-ROCK)の発表を控える彼らは、来年メジャー・デビュー15周年。そして本日、レーベルを移籍しての第1弾シングルを年明けの2月にリリースし、さらに4月14日(土)には4度目の武道館公演〈テント③〉を開催することが告知されました! そんな4人の最新情報についてはオフィシャルサイトをご覧ください。

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