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BURIAL

アルバムで辿るハイパーダブのハイパーな歴史

連載
360°
公開
2012/02/08   18:00
更新
2012/02/08   18:00
ソース
bounce 340号(2012年1月25日発行)
テキスト
ディスクガイド/青木正之、入江亮平


BURIAL 『Burial』 (2006)

昨年のジェイムズ・ブレイク同様、門外漢のダブステップ初体験を誘った記念碑。空間に染み渡る訛ったビート、美しい濃霧で埋め尽くされた幽玄なサウンドスケープは瞬く間にゼロ年代の孤独な魂たちのサウンドトラックとなった。*入江

 

KODE9 & THE SPACEAPE 『Memories Of The Future』 (2006)

スピリチュアルな声を持つMC、スペースエイプとのコラボで神秘世界へナヴィゲート。ダブ/ガラージ/ブレイクビーツを易々と呑み込んだアブストラクトな音像は、6年前の時点で近年盛り上がる〈ポスト〜〉へ到達していたことが確認できる。*青木

 

BURIAL 『Untrue』 (2007)

ハイパーダブの評価を決定的なものとし、ダブステップを新境地へと導いた怪物セカンド・アルバム。徹底されるペシミスティックな音色と洗練されたアレンジで淡々と進行する曲には、息が詰まるほどの美しさが宿る。2007年を代表する一枚。 *青木

 

KING MIDAS SOUND 『Waiting For You...』 (2009)

バグのケヴィン・マーティンと詩人のロジャー・ロビンソンによるユニットの初作。重厚なベースの波動と紫煙を燻らせたスモーキーな音が織り成す、ダブステップ界随一のミステリアス・アルバムだ。幽玄に漂うロジャーのポエトリーは鳥肌モノ! *青木

 

『5 Years Of Hyperdub』 (2009)

ブリアルの記念すべき処女曲“South London Boroughs”からロウ・エンド・セオリー勢、UKファンキーの俊英LVに日本からはQuarta 330まで。文字通りハイパーダブの5年の濃厚な軌跡を2枚組に収めたライブラリー。*入江

 

IKONIKA 『Contact, Love, Want, Have』 (2010)

ディープなベースラインがボトムに横たわり、レーベル・カラーを踏襲する不穏な雰囲気を漂わすと同時に、軽やかに舞うコズミックなシンセと無邪気に飛び交う8ビットも存在。相反する要素を大胆に交錯させたハイパーダブきっての異色作。*青木

 

『Hyperdub vs 3024 -Exclusive Mix For Japan』 (2010)

コード9とマーティンによる日本限定の共演ミックス盤。後半部分を担当するコード9は、限られた時間のなかでブリアル、カイル・ホール、ゾンビーなどレーベルの多面性を伝えるトラックを紡ぎ、濃密な流れを作っている。*青木

 

TERROR DANJAH 『Undeniable』 (2010)

グライム・カルチャーの要人によるハードコアなダブステップ・アルバム。レーベルがその出自を表明しているかのように、ステッパーからMCモノまで漆黒の闇を震わせる豪快な低音がスピーカーからモクモクと狼煙を上げている。*入江

 

DARKSTAR 『North』 (2010)

あ触れたら壊れてしまいそうなほどセンシティヴでメランコリックなメロディーやヴォーカルをフィーチャーした、ハイパーダブ流のダーク・シンセ・ポップ。インディー・ロックともリンクする作りは、同レーベルの特異性を象徴しているかのよう。*青木

 

KODE9 & THE SPACEAPE 『Black Sun』 (2011)

首領の最新作は、みずから公言するジューク・ハウスへの興味やハーフ・テンポに固執しないビート群を消化しながら、ベース・カルチャーと交わした杯を色濃く残す逸品に。宇宙猿の黙々と煙るトースティングも相変わらず相性抜群。*入江

 

KING MIDAS SOUND 『Without You』 (2011)

初作の再構築盤。要注目株ハイプ・ウィリアムスをはじめ、クーリーGやクエード、Dブリッジ、マーラなど、名を連ねるリミキサー陣の名をすべて挙げて本作だけでこのページを埋め尽くしてしまいたいくらい、ハイパーダブ山脈へ逆流する河海の旨味がこの一皿で一気に吸える。*入江

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