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【第6回】――ベイカー・ブラザーズ

連載
ハマ・オカモトの自由時間
公開
2012/02/15   00:00
更新
2012/02/15   00:00
ソース
bounce340号 (2012年1月25発行号)
テキスト
構成/編集部


ハマ・オカモト先生が聴き倒しているソウル〜ファンクを自由に紹介する連載!



【今月の課題盤】THE BAKER BROTHERS 『Bakers Dozen』 Peddler(2006)

今回はだいぶ最近のアーティストになりますが、UKのジャズ・ファンク・バンド、ベイカー・ブラザーズです。名前の通り、ダンとリチャードのベイカー兄弟を中心に結成されたバンド。一昨年〜昨年にかけてこの2人が次々に脱退してしまったのですが、バンド名は変えずに活動中です。ここで紹介する2006年作『Bakers Dozen』は兄弟に加えてベーシストのクリス・ペドリーを加えたオリジナル・メンバー時代のアルバムで、ちょうど僕がズットズレテルズをやっている頃に何となく見つけて買ったんです。これまでに紹介してきたような60年代あたりの作品ばかり聴いていた時だったんですが、そういったレジェンドを継承した○○みたいなことがコメントに書いてあって、いやいや何言ってんだ……とちょっとナメてかかってた感じもあったんですよね(笑)。でもそれまでの作品のアートワークも格好良かったし、ジャズ・ファンクをもっと聴きたかったので聴いてみたらすごく良くて。ホント白人ノリで、どファンク。そして歌心もあるんです。特に“Hold On”という曲にヤラれました。やっぱりベース(この人がベイカー兄弟じゃなくてちょっと残念)がスゴくて、やってることはファンクだしスタンダードを継承している部分もあるんだけど、ベースのフレーズが気持ち悪いんですよ。それでよくハマるな、みたいな。どこからそのフレーズが出てくるの?っていう、54-71の川口賢太郎さんのプレイを思わせる感じ。それは自分もバンドに入る時にやりたかったことでもあるんですよ。オーソドックスな形があるなかで、変わったアプローチでおもしろさを伝えるっていう。そこにすごく惹かれて。

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僕のなかで白人のファンク・バンドってテクニック・プレイヤーズというか、そっちに行きすぎてる印象があるんですが、ベイカー・ブラザーズはそこに走りすぎない絶妙さがあるんですよね。黒さはないし、すごく縦のノリだし、サックスのピーキーな感じとかすごくいまっぽいけど、遊びが効いてるし、リフも斬新でおもしろいし、カッコ良くモダンにルーツ風のこともできる。そういうところが好きです。この手のバンドってライヴはあまり良くないパターンが多いっていう持論がなんとなくあるんですが、このバンドはライヴのほうがカッコ良くて、僕がよく聴いている『Hot Cakes: Live In Japan』というライヴ盤もオススメです。あと、音楽もいまやおしゃれアイテムのひとつだったりするじゃないですか。そこでソウル〜ファンクを選ぶ人も多いと思うんですが、そういう意味で探している人にもハマる感じがありますね。

 

PROFILE/ハマ・オカモト



OKAMOTO'Sのヒゲメガネなベーシスト。最新作『欲望』(ARIOLA JAPAN)が好評リリース中。2月は〈DEVILOCK NIGHT〉などへ出演したり、3月には黒猫チェルシーとのスプリット・ツアーが決定! 詳しくは〈www.okamotos.net〉へGo!