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【第8回】――ステップキッズ

連載
ハマ・オカモトの自由時間
公開
2012/04/18   00:00
更新
2012/04/18   00:00
ソース
bounce342号 (2012年3月25発行号)
テキスト
構成/編集部


ハマ・オカモト先生が聴き倒しているソウル〜ファンクを自由に紹介する連載!



【今月の課題盤】 THE STEPKIDS 『The Stepkids』 Stones Throw (2011)

今回はちょっと趣向を変えて——これまでは僕が聴いてきたものから紹介してきましたが、実際僕ももっといろんなアーティストを知りたいというのもあるんですよね。そこで、たまには編集部に提案してもらったもののなかから紹介したい作品を選ぶ回があってもいいんじゃないかということになり、今回はそんなテーマにしてみました。その作品は、昨年デビューしたUSの3人組、ステップキッズの『The Stepkids』です。前回のベン・ロンクル・ソウルのように、わりとひとつのルーツが見えやすい感じの候補が他にもあったんですが、ステップキッズはいろんなことをやっていて、要素がたくさん詰まってる。ちょっと突飛なのもいいかなと思って、ピックアップしてみました。

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このアルバムはトロ・イ・モワとかチルウェイヴ周りのアーティストに通じるような、いまっぽい、ユルい雰囲気。そのなかで、ストリングスの入れ方がビートルズを思わせたり、ベースラインがもろモータウンな感じだったりと60年代を感じさせる演奏の曲もあれば、ダビーなのもあったりします。先行シングルだった“Shadows On Behalf”なんかはヒッピーっぽいなと思いましたね。まあ、ここでのソウル臭は60年代的というよりもニュー・ソウルでしょうか。この連載で紹介してきたようなものが好きな人はきっと気に入ると思いますよ。

あと、このアルバムにはイントロとアウトロがある! こういうのはソウル・ミュージックに昔からある文化みたいなもので、いまとなってはソウルに限ったことではなくなりつつありますが、このバンドもそれを継承してるところがポイントです。それに、ちゃんと楽器が鳴っているのもいいと思うんですよ。僕がリスナーとしてこだわるのはそういうところだったりします。演奏が本当に巧い。メンバーのなかにはもともと50セントやアリシア・キーズのバック・バンドだった人とか、パンク・バンドやってた人がいたりとか、いろんなキャリアを持った人たちが集まっているのも興味深いです。ちなみに、ステップキッズは〈SXSW〉で話題になったりとライヴ・パフォーマンスにも定評があるということなので、映像も観てみたんですが、全員白いシャツを着て、プロジェクターを使ったVJとリンクさせてたりするんですよ。ジャケットのアートワークなんかも含めて、おしゃれに見せてる。見せてるんですけど……どうもダサいんですよね(笑)。“Brain Ninja”なんて曲タイトルとかも(笑)。



PROFILE/ハマ・オカモト



OKAMOTO'Sのヒゲメガネなベーシスト。最新作『欲望』(ARIOLA JAPAN)が好評リリース中。4月5日に行われるjealkbのライヴでのゲスト出演をはじめ、各種イヴェントへの出演も予定されています! 詳しくは〈www.okamotos.net〉へGo!