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LABRINTH

連載
NEW OPUSコラム
公開
2012/05/16   00:00
ソース
bounce 344号(2012年5月25日発行)
テキスト
文/出嶌孝次


UKの現行ポップ・シーンを代表する敏腕が、ついに自身のアルバムを完成させた!!



Labrinth_A



ラブリンスのアルバムがついに出た……と言っても日本でどの程度の認知があるのかわからないが、いきなり全英1位に輝いたタイニー・テンパーのデビュー・シングル“Pass Out”や“Frisky”(これは全英2位)を手掛けていた人と書けばわかる人もいると思う。それ以前からティンチー・ストライダーやプロフェッサー・グリーンといったMCの作品に関与してきたラブリンスだったが、タイニーの大ヒットや華々しい受賞結果はプロデューサーにも自然とスポットを浴びせる結果となったのだ。

“Pass Out”はゲーム音楽風のチープな展開からジャンプアップするドラムンベースで、“Frisky”はジャングルも交えたダークなグライム・チューン。クリエイターとして才能を見せつけたラブリンスはその両方にシンガーとしても登場していたわけで、彼自身のデビュー曲“Let The Sun Shine”も程なくして届けられたのだが、以降はコレクティヴ名義のチャリティー・シングル“Teardrop”やミス・ダイナマイトの復帰シングル“Neva Soft”をはじめ、デヴリンやレッチ32らといったプロデュース仕事が急増したこともあり、なかなか自身のアルバム制作には至らず。それでもタイニーを従えて昨秋に放った“Earthquake”が全英2位まで浮上し、今年3月の“Last Time”も同4位をマークして、いよいよファースト・アルバム『Electronic Earth』の登場となったのだ。

冒頭の“Climb On Board”から“Earthquake”という連弾は外部仕事の延長線上にあるグライム・ポップだが、以降は加工ヴォイスも用いて朗々と歌声を響かせた大ぶりなポップ・ナンバーが並ぶ。その姿はドリームがより未来的なエレポップに挑んだかのようで、つまりはキャッチーなメロディーメイクの才に焦点が当てられているのだ(なお、彼はサイモン・コーウェルがオーディション番組と無関係に契約した珍しいひとりである)。一方で、最新シングルにあたる“Express Yourself”はもちろんチャールズ・ライト&ワッツ103番街リズム・バンドの同名曲をベタ使いしたものだったり、エモーショナルな歌声を強調しているのも印象的。ともかくすでに全英2位まで上昇したこのアルバムで、いまのUKシーンの王道を堪能してほしい。



▼関連盤を紹介。

左から、 タイニー・テンパーの2010年作『Disc-Overy』(Virgin)、ティンチー・ストライダーの2009年作『Catch 22』(Island)、プロフェッサー・グリーンの2010年作『Alive Till I'm Dead』(Virgin)、デヴリンの2010年作『Bud, Sweat & Beers』(360/Island)、レッチ32の2011年作『Black And White』(Levels/Ministry Of Sound)

 

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