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【第13回】――コンピ祭りだよ!

連載
ZOKKON -candy floss pop suite-
公開
2012/09/19   00:00
ソース
bounce 348号(2012年9月25日発行)


パレードもサミットも革命も……かかってこい!!



——すっかり秋の気配ですね。

「飽きの気配とは穏やかじゃないな……」

——季節の話です。

「あら。でも、メチャクチャな祭りの後みたいに、ぽっかり穴が空いたような気分になっちゃう人がいても不思議じゃないよ。それぐらいイヴェントもリリースも多かったし。特にフェス形式の合同ライヴみたいなのも山ほどあったから、関わった皆さんも参戦した皆さんも本当にお疲れ様でした」

——まあ、私たちは何の祭りにも参加してないですけど。一方で、℃-uteが初動だけで過去最高のセールスを記録したり、老舗の底力を痛感させられる動きもあります。

「あんたはもう最近モーニング娘。しか聴いてないもんな」

——社長も〈今回だけはツアー観といたほうがいいよ!〉って言ってましたからね、喫煙所の片隅で。

「〈今回だけは〜〉というのが率直だよねえ。確かにそういう機運をビンビンに出してる人たちこそおもしろいと思うよ。とはいえ、そういうZOKKONヴァイブを出してる人たちって他にもいないわけないでしょ……ということだよね、今回のページは」

——そうなんです。アイドルを謳ったショウケース的なコンピが一気にドバッと出てきたんで、まとめて紹介しようかと思って。

「一気にいろんなタイプの曲が聴けるのは楽しいし、お気に入りの人たちを探すのには便利だと思うんだけど、曲だけあればいいわけじゃないって人もいるだろうし。こういうのは誰がターゲットなんだろうね。曲のことばっか言ってヴィジュアルに触れないのは気取ってるとか欺瞞だとか言われるわけだけど」

——アイドル専門誌じゃないのでそこは言われても困りますけど。逆に急にアイドルを持ち上げはじめた音楽誌とかが音楽の話をまったくしないのも謎です。

「まあ、写真とかは俺もヴィジュアルだけならリタ・オラとか紗倉まなさんのほうが好みだしね」

——はい。ということで、まずは3枚同時に出た〈IDOL PARADE〉というシリーズです。

「これは一般流通されている音源が中心になっているみたいだし、ZOKKON的にはわりとお馴染みの面々が並んでる感じなのかな」

——シングル単位で出てるものやアルバム収録曲も多いですけど、RYUTistは一般流通の音源にまだ入ってない“カラフル・ミルク”がチョイスされてたり、いろいろ詳しい人にも聴きどころは多いんじゃないですかね? 流石に3タイトルで全45曲ですから、単体のブツで全部チェックできてる人はよほどの方だと思います。

「ジャケも素っ気ない感じではあるけど、中には一組ずつの写真も入ってるのはいいよね」

——どこの誰みたいなのはもう少し情報が入ってればなお良いですけどね。バイオグラフィーやメンバー紹介とか。そういう段階のリスナーには向けていないのかもしれませんが……。

「ネットで検索しろって話なのかもしれないけどね。しかしながら他のコンピも引っ括めてブラインド・テストみたいにしながら聴いてると、やっぱり評価の高いCQC'sとかS-Qty、Mary Angelなんかの曲には耳を持っていかれるよ」

——あと、このページで紹介している作品にだいたい共通しているんですけど、Rizumuやchoice?をはじめとするフィノリア勢の楽曲提供が目立つんですよ。そのどれもが凄く安定したクォリティーですし、こうやっていろいろ比較できるのはリスナー的にはありがたいです。

「現場ではまたいろいろ違うんだろうけど、音源の品評会みたいにはなっちゃうよね。現場と言えばJewel Kissの“Magic of Jewel”の〈MIXば〜じょん〉には食らったな」

——続いては1枚モノ。ローカルものを集めた『IDOL SUMMIT vol.1』というコンピです。

「メンツ的には〈IDOL PARADE〉と多少かぶってるね。いま気付いたんだけど、これも同名イヴェントをやる前提でのショウケース盤ってことなのか」

——そして、〈次世代アイドル革命!!〉の2タイトルです。これは各々がオリジナル曲を持ち寄るのではなく、全曲をレーベル側が用意して個々が歌うという形になっていますね。

「まだ一般流通のない人たちも参加してるし、オリンピック的な意義がないわけではないけど、それぞれの環境や状況のなかでそれぞれが自由に仕上げてくる楽曲の出来もローカルものを掘るおもしろさのひとつだと思うから、単純にファンの人はどう思うんだろう?ってのはあるかな」

——歌うアイドルだけじゃなく作り手も含めての作品ですから。そして、いろいろ詳しく紹介されてるのがムック「アイドル・ソング・クロニクル 2002-2012」です。これを読めばある程度聴いた気分になれちゃいますね。

「メジャー作品からローカル系までいろいろ網羅されてるし、ドカーンと大きいジャケもいっぱい載ってるから楽しいよ」

——こちらにも好内容のコンピがついてますし、まずはここから聴いてみるのをオススメします。

 

▼9月26日にリリースされるコンピ。

左から、『次世代アイドル革命!! Blue Lips』『次世代アイドル革命!! Pink Lips』(共にインペリアル)

 

▼吉田豪 + 原田和典 + 南波一海の選・文によるムック「アイドル・ソング・クロニクル 2002-2012」(ミュージックマガジン)。16曲入りのコンピCD付き!

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