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平賀さち枝のカーステレオで流すミックステープ!(第5回)

連載
皿えもん
公開
2012/10/15   18:30
更新
2012/10/15   18:30
テキスト
文/平賀さち枝


アーティストが各テーマに沿ったお皿(CD)を紹介する連載! カーステレオで流したいミックステープに入れるお気に入りを、〈さっちゃん〉こと平賀さち枝が紹介します!



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EMI MEYER 『Suitcase Of Stones』 プランクトン



街から街へと、紅葉のはじまる山々の道を行きます。
さっきまでの夏の出来事も、いまは胸の奥で眠りにつこうとしています。
忘れた頃に、ふと飛び出して、鼻先にとまってキラキラゆれる思い出たち。
カーステレオからは恋の歌が流れます。

〈春ほど甘くとけるものはない/あなたが望むのなら去ってもいい/ただ、12月までには戻ってきて/新しい季節がはじまるように〉(“Suitcase Of Stones”)

車の窓を開けて秋の風に包まれれば、その瞬間、窓から逃げてゆく
古い季節の妖精たちがそっと残したプレゼント。
いつかのことも、いまは穏やかな気持ちで許し、愛しくおもう。
そしてやってくる、新しい季節。

秋がやってきました。
いつの間にやら訪れて、あっという間に去ってゆく。
行き先に迷ったとしても、不安になることはありません。
こんなピアノのリズムの間に挟まれれば、きっとすてきな場所まで導いてくれることでしょう。
新しい季節のはじまりは、幾度繰り返しても、どうしたって私たちの心を躍らせるのです。



PROFILE/平賀さち枝



87年、岩手生まれのシンガー・ソングライター。2011年にファースト・アルバム『さっちゃん』でデビュー。今年4月にミニ・アルバム『23歳』(kiti)を発表している。11月22日(月)に渋谷QUATTROで行われる〈~ele-king LIVE at シブカル~〉に出演予定。その他、さっちゃんの詳しい情報はこちらのサイトでチェック!