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STEVE AOKI

連載
NEW OPUSコラム
公開
2012/11/21   00:00
ソース
bounce 350号(2012年11月25日発行)
テキスト
文/青木正之


初っ端からフルスロットル!のとんでもないステージを堪能できるライヴ映像が到着! 覚悟して観ろ!!



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つい先日出演したageHaの10周年パーティーでは、LMFAOのレッド・フーまで引っ張り出してバカ騒ぎを繰り広げ、これ以上ないほどフロアを熱狂させたスティーヴ・アオキ。そんな彼の〈裕福な家庭環境で育ったセレブDJ〉という表向き(?)だけでは成し得なかったであろう、〈稀代のエンターテイナー〉という資質を証明するのがこのライヴDVDだ。収録されているのは、これまでにない動員数となった〈Deadmeatツアー〉から、NYのローズランド・ボールルームで行われたステージ。1時間弱の映像だが、恐ろしくエネルギッシュなパフォーマンスをしっかり受け止めるには丁度いいヴォリュームで、フロア・アンセムとなっているヒット・ナンバーをテンポ良く配置した小気味イイ流れも抜群だ。

ユーフォリックなメロディーとブーストしたベースが身体を貫く“Steve Jobs”から始まり、ゲスト・ヴォーカリストとして登場したポリーナの麗しい姿が拝めるメロディアスな“Come With Me (Deadmeat)”、リル・ジョンが登場したレイドバック・ルークとの共作曲“Turbulence”——会場のヴォルテージは序盤で早くもマックスへ到達。紙吹雪が乱れ舞うわ、後に何本も撒き散らされるシャンパン・シャワーもここからスタートする。スティーヴもブースを飛び出してリル・ジョンと共に跳ね回る、とんでもなくパワフルな構成。こんな調子で最後までアゲまくるこのパーティーは、両手で抱えないと持てないほど大きい〈DIM MAK〉印のケーキを何個もオーディエンスに投げ込んだり、エアー・マットに乗ってのクラウド・サーフ(当然フロアーに落ちてもみくちゃとなり、シャツがビリビリに!)を繰り返すなど、思わず吹き出してしまうアクションも随所に見られる。破天荒なイメージがあるリル・ジョンも、スティーヴの常軌を逸したパフォーマンスの数々にはお手上げのようで、後半にはうんざりしている瞬間も。しかしこんな調子でよくもツアーが続けられるもんだと感心するやら呆れるやら……。



▼スティーヴ・アオキの作品を紹介。

左から、ライヴDVD「Deadmeat: Live At Roseland Ballroom」(Dim Mak/Ultra/KSR)、2012年作『Wonderland』(Dim Mak/Ultra)