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第9回――【今月のレポート盤】ZAINE GRIFF 『Ashes And Diamonds』

連絡ノート

連載
ろっくおん!
公開
2012/10/26   00:00
ソース
bounce 349号(2012年10月25日発行)
テキスト
文/仲木戸英治


部室に置かれたキャンパス・ノートを覗き見しちゃいましょう! 何やらおもしろそうなリイシュー盤が紹介されていますよ!!



昨年の文化祭は人数が少なくてちょっと淋しかったけど、今年はジョンとまりあも入ったし、賑やかになりそうだ。会長として活動できる期間も残りわずかだから、打ち上げは奮発してあげようかな。

さて、最近買ったリイシュー作品のことを書くとしよう。まずは70sロック名盤の数々に参加した名セッション・サックス奏者、ボビー・キーズが72年に残した唯一のリーダー作『Bobby Keys』(Warner Bros./ヴィヴィド)とりわけローリング・ストーンズの諸作での活躍が有名で、ストーンズ・マニア垂涎の初CD化だ。力強いブロウを利かせた、黒くて熱気溢れるサウンドが最高にカッコイイ。

続いてはフレディ・マーキュリー。オペラ歌手のモンセラート・カバリエを迎えたソロで最後の作品が、発表から25周年を記念した『Barcelona: Special Edition』(Island/ユニバーサル)としてリリースされたばかりだね。CD3枚にDVDを加えたヴォリュームも凄いけど、何よりシンセを押し出したバンド編成の演奏から、フレディ念願のフル・オーケストラ編成にすべて差し替えた……という点が本作の聴きどころ。壮大な雰囲気のなかで彼の類い稀な歌唱が鮮やかに蘇っているぞ。

そして、ジェイムズ・テイラーが76年に吹き込んだスタジオ・ライヴ音源集『Feel The Moonshine』(All Access)も外せない。少し前にコヤスも言っていた通り、JTの持ち味は白人特有のグルーヴ感。特にこの時期の洒脱さは素晴らしく、本作に収録されているマーヴィン・ゲイのカヴァーもまるで自作曲みたいな軽やかさだ。さらにお馴染みのセクションに加え、デヴィッド・リンドレーやデヴィッド・サンボーンも参加していて演奏も文句なし。

最後はタワレコ限定で日本盤化されたタフ・ダーツの78年作『Tuff Darts』(Sire/ワーナー)。NYパンク勢のなかでは地味な存在だけど、パブ・ロックにも通じるタフで男っぽく、それでいてポップなロックンロールが詰まった好盤だ。これを機に再評価されてほしいな。