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E-40 & TOO SHORT

連載
NEW OPUSコラム
公開
2012/11/21   00:00
ソース
bounce 350号(2012年11月25日発行)
テキスト
文/轟ひろみ


ずっと噂されていたベイエリアの王様タッグがついに実現! しかもアルバム2枚!!



ギネス記録は知らないが、音盤上でビッチとかビヤッチとか言ってる回数が世界1、2位なのは、恐らくこの2人なんじゃないか。革新的な毒々しいフロウでコア層にも一目置かれるヴァレホの金喰い豚=E-40と、83年から20枚ものアルバムを残すオークランドのピンプ野郎=トゥー・ショート。90年代からベイエリアを統べるこの絶倫コンビは同じジャイヴにいたこともあって互いに客演も多かったのだが、ここにきてついにタッグ作品が、しかも2作同時に発表された。リリース元はE-40主宰のレーベルだが、各々のカラーが出るように配慮されている。

まず、『History: Function Music』はポスト・ハイフィー的なベース・チューン主体で、ヒプノティックな展開が続く作りはトリッキーかつフレキシブルなE-40のフロウに寄り添うものだろう。タイガやトラヴィス・ポーター、ジェレマイなどゲストのメジャー感もポイントだ。一方の『History: Mob Music』はソウルフルで重たい極太ファンクが多く、まったり流すショートの語り口にフィットしている(とはいえE-40のキャラ立ちはやはり凄い)。どちらも現行シーンに多大な影響を与えた要素を強調したアルバムであり、主役の両者がそのオリジネイターとして表題通り歴史的な存在であることを示すに十分な傑作だ。合わせて34曲、じっくり楽しんでほしい。



▼2作同時リリースされたE-40&トゥー・ショートのタッグ・アルバム。

左から、『History: Function Music』『History: Mob Music』(共にHeavy On Grind)

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