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SUN ARAW

連載
NEW OPUSコラム
公開
2012/12/25   00:30
更新
2012/12/25   00:30
ソース
bounce 350号(2012年11月25日発行)
テキスト
文/小松健一郎


サイケ好きを困惑させる奇才が日本初上陸!



ロングビーチに生息するサイケ野郎、キャメロン・スタローンズ。OV・ライトの写真をジャケにそのまま貼り付けた2008年の初作『Beach Head』や、ソニック・ブームがマスタリングした2011年作『Ancient Romans』が好事家から絶賛されている彼のソロ・ユニット、サン・アロウが2枚のアルバムを携えて日本デビューしたのだ。

まず、通算6枚目の新作『The Inner Treaty』は得意のドローンを隅に置き、ポコポコしたリズムを全面に敷いてトロピカル風情満点の一枚に。思いのほか淡泊&軽快で肩透かしを喰らったが、ビヨ〜ンと間延びしたギター音にはどうにも抗えない気持ち良さがあって……。一方、実験音楽家のMゲディス・ゲングラスとジャマイカに赴き、コンゴス(!)とコラボした『Icon Give Thanks & Icon Eye』は、ミステリアスな歌声と過剰なダブ加工が強烈すぎるドープ盤。一言で表現すれば、〈ロッキン・ナイヤビンギ〉と言ったところか。それにしたってヘンなクリエイターである。〈ロック版ベーシック・チャンネル〉などとも評されるこの男の実態はいまだ掴めぬまま……。



▼文中に登場した作品を紹介。

左から、サン・アロウのニュー・アルバム『The Inner Treaty』(Sun Ark/Pヴァイン)、サン・アロウ&Mゲディス・ゲングラス・ミート・ザ・コンゴスのファースト・アルバム『Icon Give Thanks & Icon Eye』(RVNG/Pヴァイン)