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WU BLOCK

連載
NEW OPUSコラム
公開
2013/02/18   11:35
更新
2013/02/18   11:35
ソース
bounce 351号(2012年12月25日発行)
テキスト
文/出嶌孝次


ウータン・クランとDブロックが超絶合体!?

 

RZAが初監督を務めた映画「The Man With The Iron Fists」や、ウー構成員が馳せ参じたそのサントラも記憶に新しいところですが、早くも次なる動きが。ウータンのゴーストフェイス・キラーとDブロックのシークを中心にした合体プロジェクト=ウー・ブロックとしてアルバム『Wu Block』が完成したのです。もともとGFKとシークで企てていたユニットのアイデアが、両陣営の面々が参加する大規模なプロジェクトに発展したそう。RZAは不在ながら、メソッド・マンやGZA、レイクォンといった濃いメンツはしっかり助力し、Dブロックの3名と熱いカラミを聴かせます。エリカ・バドゥ参加の“Drivin Round”も目を惹きますが、それ以上にターマノロジーやヴィニー・アイドル、RZAもお気に入りのフランク・デュークス、エイサップ・ロッキーの新作にも起用されたVドンといった才能が現代的な東海岸サウンドを作り出している点が重要でしょう。

それに並行して両陣営のソロ展開もあれこれ。まず、DブロックのスタイルズPが1年ぶりのソロ作『The World's Most Hardest MC Project』を発表しました。30分弱という尺はやや不満ながら、クルーきっての巧者としてエイラブやジャリル・ビーツら新世代のビートと渡り合うタイトな一枚です。対するウーからはマスター・キラーが3作目『Selling My Soul』を投下したばかり。前作同様にマスマティクスの参加こそあれウー色はさらに後退し、ゲストもコラプトと故オール・ダーティ・バスタードのみ。9thワンダーのプロデュース曲もあるソウルフルな内容で意外に(失礼)オススメです。

なお、『Enter The Wu-Tang(36 Chambers)』から20周年を迎える新年にはクランの復活作も噂されていますし、Dブロックもジェイダキスの新作を控えています。新年もまだまだ古豪のがんばりに期待したいところですよ!

 

▼関連盤を紹介。

左から、スタイルズPのニュー・アルバム『The World's Most Hardest MC Project』(D Block/eOne)、マスター・キラーのニュー・アルバム『Selling My Soul』(Nature Sounds)

 

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