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倉内太の愛してる爆笑盤(第3回)

連載
皿えもん
公開
2013/02/20   13:00
更新
2013/02/20   13:00
テキスト
文/倉内太


アーティストが各テーマに沿ったお皿(CD)を紹介する連載! 倉内太が、愛しているからこそ言いたくなる〈こいつバカだー〉盤、聴くと爆笑してしまう盤を紹介します! なんとなく鬱々した時、飽き飽きした時、笑えなくなった時にどうぞ!



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LIGHTNIN' HOPKINS 『Mojo Hand』 Fire/Pヴァイン



こんにちは。
今回僕がご紹介するのは、60年にリリースされたライトニン・ホプキンス『Mojo Hand』です。

このアルバムは、ヴォーカル/ギターの彼がパーカッションとベース、ピアノとセッションしている内容で、とてもシンプルな作りです。
まずおもしろいのが、バックの演奏が不安定なところ。
ライトニンは気まぐれみたいに声を伸ばしてみてから歌い出し、小節は気にしてないようにも聴こえます。
ちょびっとギター・ソロのさわりだけ弾いたかと思うと歌いはじめ、気持ちいいリフがみつかったら気持ちいいぶんだけ鳴らしてみたり。
きっとこの人のバックをやる人は落ち着いて演奏することができないでしょう。

このアルバムのいちばんの魅力はライトニンの歌声です。
苦しそうにも楽しそうにも聴こえ、下品にも聴こえる粋な歌声。

ライトニンが使っているのはアコースティック・ギター。
聴きたかったアコースティック・ギターの音。
乾いていて、弦の音が部屋で鳴っているのがよくわかる音。
聴けば聴くほど、うっすらアンプで歪ませているようにも感じてきた不思議な響きを持っています。

録音スタジオのムードにも気を配ったらしく、スタジオの照明を暗くして好きな酒を手の届くところに置き、リラックスした状態でセッションしたという話です。
時には黒人美女を座らせて、セッションしてみたり。
サングラスで葉巻をくわえたライトニンがニヤニヤしているのが想像できます。
実際、歌の合間に〈へへへ……〉と笑い声が聴こえたりも。

そしてやっぱりこのジャケットがカッコイイ。
赤い壁をブチ破って拳が飛び出しているその絵は、シンプルでいてヤラしさも感じます。
僕が大好きなバンド、ランシドのセカンド・アルバム『Let’s Go』のジャケット。
手の角度は若干違いますが、赤い壁をブチ破る拳。
初めて『Mojo Hand』を見つけた時、〈あ、『Let’s Go』だ〉と思って手に取ったのを覚えています。

ところで、〈モージョ・ハンド〉って何?ってなりますよね。
ロバート・ジョンソンやマディ・ウォーターズの歌のなかにも登場する〈モージョ・ハンド〉。
いろんな説があるみたいですが、僕が最初に知った意味はおまじないでした。
ヴードゥー教の呪術師から買うお守りで、異性にモテたりギャンブルに勝てる効果があると言います。
肌身離さず持ち歩き、他人に見られたら効果がなくなるとか。
どんな形で、何色で、どれくらいの大きさの物なのか謎ですが、このアルバム自体にそういう怪しい力を感じたりします。

ブルースの大名盤として有名なアルバムですが、僕はフォーク的な要素もあると思います。
楽しい言葉の羅列、工夫されたギター・リフ、語るような歌い方。
僕のめざすおもしろい音楽があります。
僕もアコースティック・ギタリストとしてこのアルバムは何度聴いても勉強になります。
楽しい勉強。

最後まで読んでくださってありがとうございました。
また書きます♪
さようなら。



PROFILE/倉内太



83年、埼玉生まれのシンガー・ソングライター。2005年よりバンド活動を開始。2008年に倉庫内作業員のアルバイトに採用されたことがきっかけとなって意欲的に曲作りを始め、弾き語りライヴも行うようになる。2009年に自主制作でファースト・アルバム『倉内太と彼のクラスメイト』をリリース。2012年5月に倉内太&ネイティブギターを結成し、バンドでのライヴ活動もスタート。2012年9月に店舗限定でシングル『LIKE A RHYTHM GUITAR』を発表、11月に初の全国流通盤となるアルバム『くりかえして そうなる』(DECKREC)をリリースした。今後は2月22(金)に新宿JAMで行われる〈音と絵 presents「FITTING ROOM VOL.1」〉などに出演予定。詳しくはこちらのサイトでチェック!


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