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#SEAPUNK

連載
NEW OPUSコラム
公開
2013/05/22   00:00
ソース
bounce 355号(2013年5月25日発行)
テキスト
文/轟ひろみ


イルカに乗ったウルトラデーモンが水底からお届けする、ふしぎの海の#シーパンク



何と、ついに#シーパンクのCDがリリースされましたよ〜!と言っても、知らなければまるで馴染みのない言葉ではありましょう。#シーパンクというのは数年前からTumblrやTwitterで話題となり、〈#Seapunk〉というハッシュタグによって伝播され、トレンド化したSNS発祥ムーヴメントのこと。言葉の由来はそのまんまSea(海)+サイバーパンクらしく……まあ、文字だけでは説明しづらいので画像や動画とかを検索してもらったほうが早いんですが、まるでクリスチャン・ラッセン的な絵画を90年代風のチープなCGで描いたようなイルカや波、椰子の木などのヴィジュアルを伴って表現されるもの。そんな視覚イメージは、ファッション方面でもエメラルドグリーンに染めた髪や奇天烈なマリン模様にて明快に表現されています。

そう書いても何の何かわからない感じかもしれませんが……このジャンクな動きを推進しているのがシカゴのウルトラデーモン。バビロン・ズーばりの胡散臭さに溢れた彼の作風は、ベース〜トラップやらチルウェイヴやらインディー・シンセやら昨今のネット親和性も高い音楽をエレクトロにミックスした享楽的なサウンドでありつつ、初期レイヴやガバ、ナードコアなど90年代音楽のトラッシュ的な部分に回帰したもののように聴こえる人もいるかも。基本的にSNSでフリー音源が広まってきた世界ながら、その初CDとなるのが、今回登場した彼の『Seapunk』。このリリースをきっかけに、独特の海のトレンドが陸の世界にも広がっていくかもしれません。