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桂枝雀 名演集全5巻

公開
2013/05/28   16:46
ソース
intoxicate vol.103(2013年4月20日発行号)
テキスト
佐藤奈々(渋谷店)

伝説のお笑い番組『枝雀寄席』から、未商品化映像10席がお茶の間に!

伝説のお笑い番組・朝日放送『枝雀寄席』での放映から長らく公開されなかった高座より、未商品化映像10席を集めたDVDブックが全5巻で発売されました。放映後、“封印”されていたいくつかの高座が「カムバック枝雀」としてビデオ独演会で大盛況を博したのが平成23年。これほどの名演がただ一度の公演で終わるのはあまりにも惜しいと、このDVDブックが実現したのだそうです。なぜ封印されていたのか!

第1巻の前書きによれば、それは今回の10席がどれも、あまりにも仕種が激しかったり予想外の動きのためカメラのフレームから飛び出してしまうなど、まさに枝雀落語ならではの事情のためでした。だからこそ、そのライヴ感は、これまでのどの映像商品より素晴らしく、同じ演目のDVDを既にお持ちの枝雀ファンをも唸らせる珠玉の高座であることを、断言します!

第1巻「代書」「つぼ算」はいうまでもなく枝雀十八番。しかも50代の脂の乗り切った時代のもの。どの 「代書」「つぼ算」よりも大笑い出来ること請け合いです。

第2巻「一人酒盛」「どうらんの幸助」は独自の演出満載で〈これぞ、枝雀!〉。

第3巻「宿替え」「こぶ弁慶」も、第1巻、第2巻に勝るとも劣らない大爆笑の上方落語。

そして第4巻は、枝雀オリジナルのサゲによる「鷺とり」と、アクションシーンたっぷりの「崇徳院。どちらも枝雀の豊かな芸の力に見惚れる2席です。

最終巻「くしゃみ講釈」「鴻池の犬」では、講釈の名調子、アホな男の愛らしさ、犬の仕種や台詞の可笑しさに、多彩な枝雀の魅力が溢れています。

各巻に、熱い〈枝雀愛〉を語る著名人のエッセイと落語作家・小佐田定雄の高座解説、口演速記を掲載した、読んでも笑える冊子がついています。どの巻を取っても、これまでで一番面白い〈枝雀落語〉、間違いなし!