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第67回――サルソウルのソウル

ESSENTIALS――前号に引き続き、入手が容易になったサルソウルのCD作品を紹介するよ! (2)

連載
IN THE SHADOW OF SOUL
公開
2013/06/12   00:00
更新
2013/06/12   00:00
ソース
bounce 355号(2013年5月25日発行)
テキスト
ディスクガイド/JAM、林 剛、出嶌孝次


SKYY 『Skyyport』 Salsoul/OCTAVE(1980)

ヒット規模から次作『Skyline』が代表作とされるきらいもあるスカイだが、ダンスフロアの必須レパートリーとして熱烈な支持を受けた“Superlove”と“Here's To You”を収録する本作こそが、実は彼らの人気を決定付けた作品集であったことはあえて強調しておきたい。プロデューサーであるランディ・ミューラーのディレクションもまさに神がかり。*JAM

 

LOGG 『Logg』 Salsoul/OCTAVE(1981)

名前からはまったくわからないが、実体はチェンジのようなスタジオ・プロジェクトであると同時に、リロイ・バージェスの裏ソロ作と言っても差し支えのない内容だったりする。そのうえ、当時のもっともヒップなダンス・サウンドの集大成となっているあたりも本作の凄いところで、サルソウルの恐ろしさをまざまざと伝える正真正銘の問題作である。*JAM

 

AURRA 『A Little Love』 Salsoul/OCTAVE(1982)

サルソウル(傘下のドリームから数えて)での3作目。エッジの立ったスタイリッシュでダンサブルな曲が飛び出す本作も、プロデュースを手掛けるスティーヴ・ワシントンによるファンク・ユニット的な側面が依然強い。が、シャラマーにも似た男女の快活な掛け合いを聴かせるヴォーカルの存在感も抜群。“Checking You Out”のカッコ良さよ! *林

 

THE SALSOUL ORCHESTRA 『Heat It Up』 Salsoul/OCTAVE(1982)

前年の『Christmas Jollies II』に続いてパトリック・アダムスが指揮を執り、NY流儀でサルソウルらしさを取り戻さんとした最終作だ。ジョセリン・ブラウンやロリータ・ハロウェイを迎えたマッシヴなダンス・トラックはハウス前夜の熱を帯びる。内実は変わったものの、変わらぬ〈Dance Your Ass Off〉精神をジャケでも表明した最後の一撃! *出嶌

 

AURRA 『Live And Let Live』 Salsoul/OCTAVE(1983)

前作『A Little Love』からさらに成長した姿を刻み込んだ通算4作目。スティーヴ・ワシントン(元スレイヴ)を中核とする制作陣に変化はないが、わずか1年でここまでグレードを高められるものなのかと思うほど。シングル“Such A Feeling”でのクール一途な佇まいもいいが、メロウ味を加えた“Baby Love”や、“Coming To Get You”も何とも秀逸。*JAM

 

JAKKY BOY & THE BAD BUNCH 『I've Been Watching You』 Salsoul/OCTAVE(1983)

バンドの看板を張るケリーB・ラトリッジはカサブランカに2枚のアルバムを残すオハイオのファンク・バンド、プラティパスの出身で、他メンバーにも同バンドから引き連れてきた人がいるので、実態はプラティパスの生まれ変わりと捉えるべきか。本作は容赦ないヘヴィー・ファンクの嵐で、この徹底さ加減には驚きを禁じ得ない。*JAM

 

CIVIL ATTACK 『Civil Attack』 Salsoul/OCTAVE(1983)

スレイヴを脱退し、オーラの作品で腕を揮っていたスティーヴ・ワシントンが奥方をヴォーカリストに立てて仕上げたヘヴィ・ファンク盤。スティーヴのチョッパー・ベースを核に、スレイヴ譲りの重厚でダンサブルなサウンドをさらに図太く荒々しくしたようなファンク・ボムが遠慮なく飛び出す。Pファンクもザップも真っ青の、豪快で乱暴な一枚だ。*林

 

VAUGHAN MASON AND BUTCH DAYO 『Feel My Love』 Salsoul/OCTAVE(1983)

サルソウル以前にブランズウィックで名ブレイクビーツとしても広く知られることになる“Bounce, Rock, Skate, Roll”を発表していたプロデューサーのヴォーン・メイソンが、ブッチ・デイヨをシンガーの定位置に置いて再デビューした格好のヘヴィー・ファンク集。“Party On The Corner”が光るが、収録曲全般、淀みナシ。*JAM

 

THE STRANGERS 『The Strangers』 Salsoul/OCTAVE(1983)

その名が示すように匿名性の高いユニットだが、エムトゥーメイを脱退したハワード・キングが同バンドのエドワード・ムーアと共同制作したファンク・アルバムだ。“Wanna Take Your Body”を筆頭に、ヒューバート・イーヴスがシンセで参戦したスタイリッシュなダンサーが続々と登場。シャープなビートで畳み掛けるも、楽曲はいたってメロディアス。*林

 

SKYY 『Skyylight』 Salsoul/OCTAVE(1983)

ランディ師匠も〈駄作〉と評する『Skyyjammer』を経て、原点のアーバン流儀に立ち返った6作目。エレクトロの影響を意匠のコアに置く一方、どう聴いてもサムシングの始まりそうな“Bad Boy”が絶妙にスリリングだったり、黒人音楽のメジャー化とアンダーグラウンドなクラブ音楽の変化が同時に訪れていたこの時代ならではの試行錯誤ぶりが麗しい。*出嶌

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