アーティストが各テーマに沿ったお皿（CD）を紹介する連載に、今月からハルカトミユキのハルカが登場! 詳しいことは知らないが、好きだと言わせろ!……という勢いで、お気に入り盤を紹介します。第1回は森田童子!!
森田童子 『ぼくたちの失敗 〜森田童子ベストコレクション〜』 ユニバーサル
初めまして。ハルカトミユキのギター／ヴォーカル、ハルカです。
〈好きな音楽について語る〉という経験が私にはほとんどなく、
機会がなかったというかむしろ避けて通ってきたというか、
そんなもの誰が易々と教えてやるかと思わないでもないというか、
まあいまのは悪い冗談として、とにかくほとんどありません。
なので今回は非常に困りました。
困っていろいろ考えて、もしかして私は音楽が好きじゃないのではないか?状態に陥り、
これはまずいというわけで、
もう何も考えずぺらぺら紹介させていただこう、と開き直りました。
ちっとも詳しくないのだから、考えたって仕方ないぞと。
さっきの〈誰が教えてやるか〉というのは本当に冗談で、
こんな浅い知識で好きだなんだと言うのはおこがましい……語るのが苦手な理由は、ただただこれに尽きます。
でも。詳しいだけが好きじゃないだろうと。
詳しくなくたって、好きなものは好きなのだと。語ったっていいじゃないかと。
詳しいことは、知らないが。好きだと言わせろ!
という勢いで書いてみます。ぺらぺらと読んでみてください。
第1回目は、森田童子のベスト・アルバム『ぼくたちの失敗 〜森田童子ベストコレクション〜』をご紹介します。
森田童子を知らない方も、“ぼくたちの失敗”という曲はご存知ではないでしょうか。
93年にやっていた、〈高校教師〉というTVドラマの主題歌です。
この曲が発表されたのは76年で、
その後かなり月日が流れてから主題歌として使われるのですが、
ちなみに私はどちらの時代もリアルタイムではないので、
〈森田童子が好き〉と言うと年齢を詐称しているだろうと疑われたりします。
いま、これを書きながら“ぼくたちの失敗”を聴いていますが、
触れたら壊れそうなギターの音色と、拙い歌声が、
なんとも逃げ場のない歌詞をぽろぽろと響かせています。
イントロだけで泣きそうになりました。
他にも、“G線上にひとり”“孤立無援の唄”“たとえばぼくが死んだら”。
むしろ収録曲のタイトルを眺めているだけで涙が出ます。
“ぼくたちの失敗”って。何を失敗しちゃったんだ。
私が森田童子と出会った時は、もうハルカトミユキとして活動を始めていました。
なので影響を受けたと言うよりは、既に何か似ている……という不思議な感覚に陥ったのを覚えています。
春のこもれ陽の中で 君のやさしさに うもれていたぼくは 弱虫だったんだヨネ。
この一行に心を持って行かれた方は、ぜひ、聴いてみてください。
夜中に一人では聴かないほうがいいかも。
ではまた次回。
PROFILE／ハルカ
大学のサークルで出会った女子2人から成るオルタナティヴ・フォーク・ユニット、ハルカトミユキのギター／ヴォーカルを担当。2012年に初のEP『虚言者が夜明けを告げる。僕達が、いつまでも黙っていると思うな。』を、今年3月には2枚目のEP『真夜中の言葉は青い毒になり、鈍る世界にヒヤリと刺さる。』（H＋M）をリリースし、各メディアで〈今年ブレイクする新人〉として話題を集める。今夏は〈RISING SUN ROCK FESTIVAL 2013 in EZO〉をはじめ、フェスやイヴェントへの出演も続々と決定! その他のブランニューな情報についてはオフィシャルサイトをチェック!!
