NEWS & COLUMN ニュース/記事

2013 INFINITE 1ST WORLD TOUR 〈ONE GREAT STEP〉JAPAN @ 横浜アリーナ (2013年9月18日)

連載
K-POP LOVERS!
公開
2013/10/09   21:00
テキスト
text : 長澤香奈(タワーレコード)

 


(c)Woollim Entertainment/CJ E&M

 

「ステージに立ってコンサートをしている最中は、夢を見ているような気持ちになります」――ホヤが公演前日の記者会見でこんなことを話していたが、INFINITE初のワールド・ツアー〈ONE GREAT STEP〉の横浜アリーナ公演を見て、同じように思った人も多かったのでは?  7人のキレのあるダンス・パフォーマンスや表現豊かな歌声はもちろん、煌びやかなライティングと繊細な演出、生バンドによるパワフルなサウンドが一体となった、夢のようなステージが3時間にわたって目の前で繰り広げられた今回のライヴは、韓国から世界へと歩みを進めるINFINITEの決意と信念がビシビシと伝わってくる、素晴らしい内容だった。

 


(c)Woollim Entertainment/CJ E&M

 

公演のなかに挟み込まれた映像のテーマは、〈音楽のなくなった世界で、INFINITEが音楽で世界を救う〉というもの。〈MUSIC IS DEAD〉〈KEEP SILENT〉という文字が掲げられ、歌うことすら禁じられた世界を生きるINFINITEの7人が、音楽を取り戻すために戦っていく――。その序章とも言えるオープニング・ムービーが終了したあと、檻に囚われたINFINITEが舞台後方から登場し、手錠を外してステージへと移動、韓国最新曲の“Destiny”がスタートしたときにまず目を惹いたのは、彼らを彩る照明の多さと鮮やかさ。INFINITEの音楽とパフォーマンスに呼応するかのように動くライトの躍動感と色彩豊かな演出は、今回のライヴの見どころの1つといえるだろう。

 


(c)Woollim Entertainment/CJ E&M

 

バックライトが赤く光り7人の動きがシルエットで映し出された“Paradise”、椅子を使ったパフォーマンスも印象的だった“Inception”をはじめ、“Tictoc”や“Wings”“Can U Smile”など、前半は彼らがこれまでに発表した楽曲たちの魅力が新たな形で楽しめる内容。いわゆる〈活動曲〉以外にもたくさんの名曲を発表し、アルバム全体のクォリティの高さにも定評のある彼らだけに、どこを切り取っても色褪せることのない名曲が次々と登場する。ときに繊細に、ときにダイナミックに展開する演出も相まって、INFINITEの世界観にどんどんと惹きこまれていく。

 




(c)Woollim Entertainment/CJ E&M

 

中盤に設けられたソロ&ユニットでのステージでは、ソンジョンとソンヨルがエレクトロ調のアッパーなアレンジとなった“1/3”でステージと客席をダンス・フロアへと変え、続くホヤ&ドンウによるユニット=INFINITE Hは、パステル調のライトをまとい “SPECIAL GIRL”で会場をスウィートかつメロウな雰囲気に。エルは、自身が出演した「美男〈イケメン〉バンド~キミに届けるピュアビート」の劇中歌で、トゥゲウォルのキム・イェリムとのデュエット曲としても話題を呼んだ“Love U Like U”をセレクト。ベンチに座り、アコースティック・ギターをつま弾いたり、隣に置かれた巨大なテディベアと戯れてみたりと、甘い世界観で会場を魅了した。続くウヒョンはミュージカルのような演出でラヴリーなポップ・チューン“Beautiful”を軽やかに歌い上げ、ファンに指輪をプレゼントするというサプライズも。ソロでミニ・アルバム『Another Me』をリリースした経歴を持つリーダーのソンギュは、同作より“60 Seconds”をチョイス。前半はピアノの伴奏のみでシンプルに歌声を届けたかと思うと、後半はバンドとストリングスの音がプラスされ、一気にダイナミックさを増す。ヴォーカリスト、キム・ソンギュの魅力がじっくりと感じられる濃密なパフォーマンスだった。

 




(c)Woollim Entertainment/CJ E&M

 

“Nothing’s Over”や“Entrust”“Cover Girl”といったポップ・ソングのパートになると、7人が会場を自由に動き回る。紙ひこうきを飛ばしたり、プレゼントを投げたり……、なかにはステージから降りるメンバーの姿もあり、オーディエンスからは大きな歓声が。ラストに向けて一気に熱を上げたところで、“Be Mine”“B.T.D”と、INFINITEの真骨頂とも言える99.9%のシンクロ率を誇るダンスが楽しめるパフォーマンス曲が登場し、この日の盛り上がりは最高潮へ。「楽しい時間はあっという間ですね……」と、ライヴの終わりを知らせるMCが挟み込まれ、バンドの演奏と美しいライティングでさらに華やかさを増した“Man in Love”、繊細かつクールな魅力を放つ“Chaser”が本編のラストを飾った。

 






(c)Woollim Entertainment/CJ E&M

 

アンコール1曲目の“Come Back To Me”が終わったあと、メンバーのMCパートへ。「横浜が終わると他の国でもライヴをやりますが、絶対に戻ってきます」と力強く話したソンギュ、ファンに向けて「何もなかった僕の人生に幸せをくれた。みなさんが本当に大事です。みなさんのおかげで生きていけます」と目を潤ませながら語ったウヒョン、「笑ってるみなさんがもっと好きです」と思いを伝えたエル……。ファンへ感謝の気持ちを日本語でコメントするメンバーの姿に、会場は一気に感動的なムードに包まれた。

 


(c)Woollim Entertainment/CJ E&M

 

ライヴの最後に披露された“With”では、歌を真剣に届けようとする7人はもちろん、その気持ちに応えるように「サランヘ!」とコールするファンの声が響きわたる。そして、楽曲の終盤で一気に会場の照明が落とされ、数秒後に光が広がると、ステージをキラキラと舞う紙吹雪が……。アンコールを終えた後、メンバーたちはセンター・ステージや花道を歩きながら礼をしながら移動。7人の満足そうな表情と、最後までステージに残っていたウヒョンがずっとずっと観客に手を振り続けていた姿が、とても印象的だった。

 

〈2013 INIFNITE 1ST WORLD TOUR 「ONE GREAT STEP」JAPAN〉
日時/会場:
9月5日(木) マリンメッセ福岡
9月10日(火) 広島サンプラザホール
9月13日(金)14日(土) 神戸ワールド記念ホール
9月18日(水)、19日(木)、20日(金) 横浜アリーナ

RELATED POSTS関連記事