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[第8回]理想と現実

連載
tofubeatsの棚の端まで
公開
2013/11/20   00:00
ソース
bounce 360号(2013年10月25日発行)
テキスト
文/tofubeats


音楽を止めるなフロム神戸! 奇才のCD棚の端までおしえて連載インマイベッド!



僕の11月13日リリースになるメジャー・デビューEPのA面ゲスト・ヴォーカルが森高千里氏とついに発表が出ました。森高さんの長い歴史と功績をこのデビュー間もない若者にお貸ししていただけるだけでも嘘のような話ですが、さらに僕の作った楽曲の上で森高さんの声が聴こえてくるのはこの原稿を書いている今でも正直受け止めきれておらず、やはり想像の範疇を超えています。神戸に住んだりしていろいろやったり人から意見を聞くなかで、もしかして自分の大テーマっていうのは〈理想と現実〉なのかな、と思いはじめてます。今日はそこをテーマに選んでみました。

 

1. 宇多田ヒカル 『Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.2』 ユニバーサル(2010)

“Goodbye Happiness”の良さというか凄さというかを語るには文字数が足りなすぎますが、この曲を聴くと“私がオバさんになっても”を思い出します。人間っていうのは複雑な選択肢を抱えていてそのどちらも選びきることは難しいと思います。実際は何かと何かの間でバランスを取った状態で、その複雑な状態を表現しているという意味ですごい共通点があると思うんですよね……あとどちらも曲名が一見ネガティヴなところとか。あと宇多田さんは部屋とか理想とそれとの距離みたいなモチーフも多い気がします。こういう本当に説明できない気持ちを音楽にパッケージできたらそれが本当のプロだなあ、と強く思います。

 

2. THE B.B.&Q. BAND 『Genie』 Pretty Pearl/Elektra(1985)

高校生くらいの頃からずっと好きなディスコの大大大(×1億)名曲“Dreamer”収録のこれ。一生推すでしょう名曲。夢みたいなことばっかり起きる僕には最近その歌詞さえしっくりきてしまいます。シェップ・ペティボーンによるロング・ヴァージョンも最高。本当に夢の中なのかもしれません。マジeverything so nice when I'm dreaming!

 

3. 星野源 “夢の外へ” ビクター(2013)

そして結果夢の外へ……曲を聴く前にこのタイトルを見て凄いなあと思ったのですが、夢の中へ夢の中へ行ってみたいと思ってた日本人であり僕ですが、そうか、夢ってアレか、むしろ外か、現実か、みたいな(全然文章で説明できてない)気づきを与えてくれた名曲です。これまたサラッと聴けるのによく見ると深いみたいなのも良さですね。

 

PROFILE/tofubeats(トーフビーツ)



90年生まれ、神戸在住のトラックメイカー。タルトタタンやKOPERU、lyrical school、Negiccoらの作品にてプロデュース/リミックスなどを手掛け、自身のファースト・アルバム『lost decade』も好評リリース中。本文中にもある通り、11月13日にメジャー・デビューEP『Don't Stop The Music』(unBORDE)がいよいよリリースされます! 森高千里を迎えた表題曲のほか、の子(神聖かまってちゃん)をフィーチャーした“おしえて検索”などを収録。詳細&最新情報は〈www.tofubeats.com〉にて!