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【第23回】――Motown Funk

連載
ハマ・オカモトの自由時間
公開
2013/08/14   00:00
ソース
bounce 357号(2013年7月25日発行)
テキスト
構成/編集部


ハマ・オカモト先生が聴き倒しているソウル〜ファンクを自由に紹介する連載!



【今月の課題盤】VARIOUS ARTISTS 『Motown Funk』 Spectrum

最近リリースされたなかで、〈ありそうでなかったじゃん!〉と思ったモータウンのコンピ『Motown Funk』を紹介します。その名の通りファンクでまとめられた2枚組なのですが、やはりモータウンと言えば有名な曲がたくさんあるし、これまでに作られたコンピはそれらを収めたものや、年代ごとにコンパイルされたものが多いので、ファンクに焦点を当てた作品は見たことがなくて。裏ジャケのトラックリストを見て、試聴もせずに〈はい決まりー!〉みたいな(笑)。こんなのイイに決まってるじゃん!って感じでした。

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スティーヴィー・ワンダーやテンプテーションズといった有名どころの曲もありますが、僕の知らないアーティストも入っていたし、インストがあるのはすごく魅力的ですね。映画「トラブル・マン」のサントラに収録されていたマーヴィン・ゲイ“"T" Plays It Cool”は特筆すべき曲かと。モータウン曲にはシティー感というか、スタックス作品に比べると洗練されたサウンドという印象があったのですが、このコンピを聴くとインストはネチっこい感じのものも多いんだなと思いますね。Disc-1は60sのナンバーが多くて、結構泥臭い。70s〜80sモノが中心のDisc-2はだんだんハッピー感が出てきますが、Disc-1の曲はイントロも長いし、ホント〈どファンク〉。あとは、以前紹介したオデッセイやシスターズ・ラヴなど、モータウン傘下のレーベル、モーウェストからリリースされていた曲があるというのは個人的に熱いですね。あと、初期コモドアーズのファンキー具合がめちゃくちゃカッコイイ! ここに入っている曲は初めて聴きましたが、アルバムでちゃんと聴いてみようと思います。

コンピってそういうのがあるから好きなんですよね。僕は『MOTOWN 50 〜THE BEST OF MOTOWN JAPAN EDITION』という3枚組のコンピでモータウンの音楽に出会ったんですが、知らないアーティストのアルバムを聴いて気に入ることは、この年代はなかなかないので、コンピで1曲聴いてイイなと思ってアルバムに興味を持つパターンが結構多い。いきなりアルバムを聴いて残念な作品だったりすると、そのアーティストのことを嫌いになってしまうことがあるんですよ、ムカついちゃって(笑)。〈良くねえのかよ!〉って(笑)。でもコンピで知ってからアルバムを聴いて、それが自分の趣味じゃなかった場合は、(音楽性の)時期が違ったのかなと思って、また掘ってみたくなるんですよ。まさにコンピの味わい深いところですね(笑)。

 

PROFILE/ハマ・オカモト



OKAMOTO'Sのヒゲメガネな……そして米フェンダー社とエンドースメント契約を結んだ日本人初のベーシスト。7月31日にニュー・シングル『JOY JOY JOY/告白』(ARIOLA JAPAN)をリリース! 最新情報は〈www.okamotos.net〉へGo!