容赦なく繰り返される過酷な訓練。その中で彼らは、人命救助を果たす者の使命を見いだしていく。

荒れ狂う嵐のなか、ただひたすら人命救助のために泳ぎ続ける一人のレスキュー・スイマー、ベン・ランドール（ケビン・コスナー）。人命救助に命を捧げ、これまで数百人もの命を救ってきた彼は、過酷さで知られるアメリカ沿岸警備隊（U.S. Coast Guard）に所属し、数々の栄誉ある勲章に輝く伝説のレスキュー・スイマー。しかし、ある日大切な相棒の死を目の当たりにした上、生存者は自分ただ一人という最悪の事態を経験したことから、心と身体に深い傷を負い、現場の第一線から退くことを余儀なくされる。更に、常に任務を優先する夫を待つことに疲れた妻からも別れを告げられ、重い気持ちに沈むのだった。あくまでも現場での人命救助にこだわるベンだったが、レスキュー隊員のエリートを育成する＜A級学校（エースクール）＞の教官として赴任する事になった。
＜Aスクール＞それは、アメリカ沿岸警備隊志願者の中でも特に選ばれた者しか入学を許されない、レスキュー・スイマーを目指す者達の聖地。そこでの訓練は過酷を極め、実際にレスキュー・スイマーとなれるものは志願者のわずか1％にも満たない。海難救助の最前線で何度も修羅場を体験してきたベンは、徹底して"人命救助"とは何かを厳しく指導していく。彼は、そこで、天賦の才能を持つ元高校水泳チャンピオンである訓練生、ジェイク・フィッシャー（アシュトン・カッチャー）と出会うが、ジェイクにはどこか刹那的なところがあった。ジェイクもまた大切な友人を事故で失い、その苦しみから逃れられずにいたのだった。
衝突を繰り返しながらも過酷な訓練を通じ、ベンとジェイクは共に、事故から生き残ったものとしての宿命を背負いながらも、生きる意義を見いだしていく。「彼なら心から愛する人を守り抜き、自分を超える偉大なレスキュー・スイマーになれる。」ベンは、無限の可能性を秘めたジェイクを見守りながら、自分の経験と信念のすべてを伝えたいと願うようになる。厳しい訓練に込められたベンの熱い思いはジェイクにも伝わり、"命を救う"ことへの真摯な情熱が二人を父と子にも似た固い絆でむすびつけていった。
見事難関を突破し＜Aスクール＞を巣立ったジェイクと現場復帰したベンはアラスカで共に任務につく。訓練生を育てることで事故のトラウマを乗り越えたかに見え