う～ん。ヨッフムにブルックナーを教えてもらった恩義からいえば、☆５つ付けたいのは山々です。テンポの動かし方など、ノリの良さなどにヨッフム翁の健在ぶりは明らかです。２番などなかなかのものです。しかし、録音と商品としての質は☆３つかな。８番の終結部のラッパは汚いし、音は団子状かつ奥まっている。LPではもっと良かった記憶があり、リマスタリング等に熱意を感じない。テープの保存状況が悪いのかも。悲しいのは、他の方もおっしゃられていたが、４番５番のジャケットだけ初出時の物でなく、おざなりな、あっと驚くプリントになっている。製造元に原画がないなら、日本等の販売先で使っている初発時のジャケット画データを取り寄せることはできるはず。ファンであるほどに手抜きを感じるのではないか。ヨッフム翁が粗末に扱われている気になる。あのアカデミー賞のブルックナーが、と泣けてくる。

恐らく今最も安価で入手出来るブルックナー全集ではないだろうか？内容に就いては今更語る迄も無い。紙ジャケが懐かしいアナログ時代のオリジナルデザインを使っているのも良い。何故か4番、5番だけ例外なのだが。尤も4番は全集の中で比較的初期に録音されたのにレコードが日本で発売されたのは最後だったので、オリジナルデザインが存在しないのかも。では「5番」は？でも安価だから、そんな事、どうでも良いです。それにしても今の若い人は恵まれているなぁ。

2000年にEMIがアビーロードスタジオでリマスターしたものの方が音がいいですね。こちらは痩せた貧相な音でした。安かろう悪かろうでした。残念です。