Quartet Recordsは、GDMおよびUniversal Music Publishingと共同で、エンニオ・モリコーネがルチアーノ・サルチェと協働した最も有名な作品の一つをリマスター再発します。モリコーネはキャリアの初期、彼の最初の映画音楽である『IL FEDERALE』から、『LA CUCCAGNA』、『SLALOM』、そして『COME IMPARAI AD AMARE LE DONNE』に至るまで、サルチェと忠実な協力関係を維持しました。『エル・グレコ』(1966年)は、16世紀のスペインを舞台にしたロマンティック・ドラマで、有名なギリシャ人画家エル・グレコが祭壇画を描くためにトレドに旅立ちます。彼が地元の美しい娘と恋に落ちたことで騒動が起こります。この映画には、メル・ファーラー、ロザンナ・スキャフィーノ、アドルフォ・チェリ、フェルナンド・レイが出演しています。
エンニオ・モリコーネのスコアは、ルネサンス音楽とバロック音楽を思わせるものですが、深く現代的な感性から再構築されており、画家の幻想的な精神と完全に調和した、精神的な緊張感と終わりのない探求の雰囲気を生み出しています。オーケストレーションの面では、モリコーネは典礼音楽を想起させる手法を採用しています。オルガンと合唱(映画の中では聖職者、異端審問、礼拝所と関連付けられています)は、厳粛な雰囲気を作り出すための重要なサウンド要素となっています。声は、歌詞を伝えるというよりも、むしろ楽器として扱われ、非現実的で、ほとんど神秘的な要素を加えています。
『エル・グレコ』のスコアがリリースされたのは1986年になってからで、モリコーネ自身がプロデュース・監修したアナログ盤としてIntermezzoレーベルから発売されました。これは、彼が常に愛着を持っていたスコアだったためです。同じ16トラックのプログラムは、彼の関連作品である『GIORDANO BRUNO』のスコアと対にしてRCAからCDで再発されました。2007年には、GDMが映画のために録音された音楽のほぼすべてを収録した拡張版をリリースしました。本作は、その拡張版と同じプログラムをChris Maloneがマスタリングした再発盤です。ブックレットには、Miguel Angel Ordonezによる、映画、音楽、そして作曲家について論じたライナーノーツが収録されています。
発売・販売元 提供資料(2025/11/19)
『エル・グレコ』(1966)
サウンドトラック
音楽 エンニオ・モリコーネ
監督 ルチアーノ・サルチェ
主演 メル・フェレ、ロザンナ・シアフィーノ
コーラスとオーケストラを美しく壮大に
盛り上げるスペクタクル。ハープシコードも
使用し、クラシカルな仕上がり。
そしてカップリングの
『GIORDANO BRUNO』(1973)
は、監督 ジュリアーノ・モンタルド、
撮影 ヴィットリオ・ストラーロ、
主演 ジャン・マリア・ボロンテ、
シャーロット・ランプリング
も、コーラスとハープシコード、ピアノ、
ストリングスが不安げにクラシカルに奏でる
モリコーネらしい実験精神も少し垣間見える
一作。
(C)馬場敏裕
タワーレコード(2004/09/02)