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追悼 イダ・ヘンデル(1928年12月15日 - 2020年6月30日)


アウシュヴィッツでヘンデル作曲「祈り」を演奏するイダ・ヘンデル

ヴァイオリン界の女王として世界中のヴァイオリニストの尊敬を集めたイダ・ヘンデルさんが6月30日に亡くなりました。91歳でした。謹んでご冥福をお祈りいたします。

イダ・ヘンデルさんは1928年12月15日、ポーランド東部の都市ヘウムで生まれました。3歳でヴァイオリンを始め、瞬く間に才能を開花させ、ワルシャワのショパン音楽院に入学。同郷の大ヴァイオリニスト、ブロニスワフ・フーベルマンに認められ、有名な教師だったカール・フレッシュへの入門を勧められます。7歳で出場した1935年ヴィエニャフスキ国際コンクールで7位入賞(1位はジネット・ヌヴー、2位はダヴィド・オイストラフ)。1937年にロンドンのコンサートに出演するには年齢が低すぎたため、父親が1923年生まれの証明書を偽造した(らしい)ことから、彼女の正確な年齢は今日に至るまで謎となっています。

1952年にはモントリオール、1979年にはマイアミに移り住みましたが、ロンドンを拠点に活動を続け、有名なポップスコンサート「プロムス」には実に68回も出演。こうした業績が認められ1991年にはCBEに叙せられました。レコード・デビューはSPレコード時代の1940年。以来、2008年まで、SP、LP、CDの3つのフォーマットに録音を続けました。

日本では古くからレコードによりその名を知られていましたが、1960~80年代のレコーディングが少なかったことと、長く来日しなかったため「幻のヴァイオリニスト」と呼ばれた時期もありました。1998年にラトル指揮バーミンガム市交響楽団のソリストとして来日してからは、度々来日。80歳を過ぎても、小柄な身体にカラフルなドレスをまとい、高いヒールで颯爽と舞台に現れ、安定したテクニックによる味わい深い演奏を我々に披露してくれました。
(タワーレコード 商品本部 板倉重雄)

代表作ご紹介

タワー企画盤で聴くイダ・ヘンデル

彼女の絶頂期のアナログ・ステレオ録音を本国のオリジナル・アナログマスターからSACD化したものです。


2008年来日時のセッション録音

彼女の商業録音として最後にあたるもの。東京・麻布のスタジオで一気に録音されました。


英テスタメントのCD

彼女が信頼した英テスタメントからはバッハの無伴奏の新録音、旧EMIレーベルへのセッション録音などが発売されています。



ヨーロッパの放送局による録音

21世紀になり彼女の名声はますます高まり、全盛期の放送録音が続々とCD化されました。



カナダDoremiレーベルのCD

録音状態は劣りますが、マニアックな放送音源が4タイトルリリースされています。


LPレコードで聴くイダ・ヘンデル

ヴァイオリンを聴くならアナログLPに限る!という方にオススメ。



映像で観るイダ・ヘンデル

彼女の舞台姿を追体験したい方へ。


バレエ「白鳥の湖」のソロを務めるイダ・ヘンデル

彼女はプレヴィン指揮ロンドン交響楽団の「白鳥の湖」の録音に参加したことを終生誇りとしていました。「ロシア舞曲」は彼女お得意のアンコール曲目でした。


カテゴリ : Classical

掲載: 2020年07月03日 18:00