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年末年始にじっくり味わいたいクラシックのセット物特集

ベルリン・フィルのマーラー
ベルリン・フィルと8人の名指揮者によるマーラー/交響曲全集(10CD+4BD)

2020年もクラシックのフィジカル・リリースは活発で、(1)ベルリン・フィル自主制作盤を始めとする映像商品、(2)往年の名演・名録音のSACD化、(3)名演奏家の全集BOX、(4)日本人アーティストのBOX、(5)高品質LPレコードなど、多くの魅力的なセット物が発売されました。ここでは年末年始にじっくり味わいたいクラシックのセット物として、上記5つの切り口でオススメを4点ずつ、計20点をご紹介いたします。お買い物の参考にしていただければ幸いです。
(タワーレコード)


(1)映像商品

何と言っても今年最後のリリースの話題は「ベルリン・フィルと8人の名指揮者によるマーラー/交響曲全集」(10CD+4BD)でしょう。21世紀に入ってからのマーラーの演奏状況を世界最高の楽団と指揮者たちにより、優秀な録音と鮮明な映像で捉えたもので、純粋にマーラーの交響曲を鑑賞する上でも、マーラー演奏史の今を知る上でも真っ先にお勧めできるものです。

同じベルリン・フィルの自主レーベルからは「ベートーヴェン、チャイコフスキー、シュミット、シュテファン」(5CD+2BD)も発売され、レコード芸術1月号の特選盤に輝くなど既に高い評価を受けています。このBOXの演奏やインタビュー映像を観れば、ベルリン・フィルの楽員たちが新音楽監督に若きキリル・ペトレンコを選んだ 切実な理由を理解していただけるものと思います。

EuroArtsがリリースした「ジルヴェスター・コンサートBOX」は1977年から2019年の間に行われたベルリン・フィル恒例の大晦日のコンサートより20のコンサート映像をまとめたもの。カラヤンからペトレンコまで、大晦日の華やかで楽しいコンサート気分を満喫できるBOXで、ブルーレイ1枚あたり千円以下という価格設定も魅力です。

ブルックナー党の方には「ゲルギエフ&ミュンヘン・フィル/ブルックナー交響曲全集~聖フローリアン・ライヴ映像BOX」(4BD∔6DVD)。“ブルックナーの聖地”で行われた演奏会を最新機材で捉えた優秀録音&映像でブルックナーの交響曲を味わえるほか、日本語字幕付きのドキュメンタリー映像とブックレット(日本語あり)でブルックナーを深く知ることもできるBOXとなっています。

(2)往年の名盤のSACD化

日本のソニー・クラシカルの独自企画であるブルーノ・ワルターのSACDハイブリッド化シリーズは2019年末から発売され、CDファンの熱烈な支持を集め、ついには2020年第58回レコード・アカデミー賞の特別賞を獲得しました。そのシリーズの掉尾を飾ったのが、このマーラーの交響曲集です。マーラーの愛弟子であったワルターによる鮮明なステレオ録音によるマーラーは、永遠にその価値を失うことがないでしょう。

上記したワルターのマーラーが、メンゲルベルク、クレンペラー、シェルヘンらとともに「第一世代」のマーラー演奏とするならば、このノイマンのマーラーはバーンスタイン、ショルティ、クーベリックらとともに「第二世代」のマーラーと言えるもの。バーンスタインやショルティが血の共感がなせる激烈な演奏であるのに対し、クーベリックとこのノイマンはボヘミアの地の繋がりを感じさせる牧歌的とも言える味わいが格別です。

ドイツの名指揮者ルドルフ・ケンペ(1910~1976)とシュターツカペレ・ドレスデンが録音した「R.シュトラウス:管弦楽作品全集」は、LPレコードでの初発売以来、決定盤として評価の高いものです。タワーレコードでは2018年12月に1,000セット限定のSACDハイブリッド盤として発売しましたが、好評のため品切れとなっていました。今回、ケンペの生誕110年を記念して、箱やケースの色を変更し、新品番で500セット限定で再プレスいたしました。

フランスの名指揮者ジャン・マルティノン(1910~1976)は上記ケンペと同年生まれ、同年没。二人の指揮者としては若すぎる66歳での死は当時の音楽ファンに大きな衝撃を与えました。マルティノンがパリ管弦楽団と1974年に一気に録音した「ラヴェル:管弦楽作品全集」は1975年第13回レコード・アカデミー賞管弦楽曲部門を受賞した名盤。タワーレコードでは新規復刻で4枚組としてSACDハイブリッド化。シリアルナンバー付800セット限定盤です。

(3)名演奏家の全集BOX

イギリスの名指揮者ジョン・バルビローリ(1899~1970)の没後50年にあたり、彼の英EMIと英Pye(ともに現在はワーナー・クラシックスに収斂)への録音をCD109枚にまとめたもの。LP時代の録音はオリジナルのマスターテープから、78回転SP時代の録音は入手可能な最高のソースから、すべてを24bit/192kHzリマスターが施されています。

1970年にウィーンで結成され、室内楽のトップ団体として音楽界を牽引したアルバン・ベルク四重奏団の結成50年記念限定全録音ボックスです。彼らは結成当初は独テルデックに録音し、70年代後半からは旧EMIへ移籍しましたが、現在のワーナー・クラシックスはテルデックも旧EMIも収めているため、一部の放送録音を除き、彼らのすべてのCDとDVDがこの70枚組BOXに収められています。この記念碑的BOXは2020年度第58回レコード・アカデミー賞の「特別部門 歴史的録音」を受賞しました。

ドイツの名ピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプ(1895~1991)は60年間、ほとんどの録音をドイツ・グラモフォンに行ってきました。その遺産とも言うべき録音集がケンプ生誕125年を記念してCD80枚組の限定盤にまとめられました。総録音時間は92時間を超えます。「協奏曲録音(14CD)」「室内楽曲(14CD)」「独奏曲(46CD)」「シェラック盤録音(6CD)」と大きく4つに分類され、シェラック盤録音(戦前のSP録音)はドイツ・グラモフォンから初発売となります。

バッハの名演奏で知られたドイツの指揮者、鍵盤楽器奏者、音楽学者のカール・リヒター(1926~1981)の没後40年を記念して、彼のドイツ・グラモフォンとアルヒーフへの録音をCD97枚、ブルーレイオーディオ3枚の100枚組にまとめたメガBOX。54歳の若さで亡くなった彼の膨大な仕事量と、その質の高さに改めて驚かされる偉大なアンソロジーです。

(4)日本人アーティストのBOX

1996年から98年にかけて行われた若杉弘&N響との伝説的ブルックナー・チクルス。リハーサルもすべてサントリーホールで行われ、ホールの響きを完璧に手中にしてから本番に臨むという破格に贅沢なプロジェクト。指揮者・オーケストラ・会場が一体となって奏でる素晴らしい完成度の演奏会です。今回、NHKに保管されている音源をもとにALTUSレーベルが丁寧にマスタリングを施し待望のCD化!

上記ブルックナー・チクルスの20年越しのCD化が話題になった際、1988~91年にライヴ録音された東京都交響楽団とのマーラー交響曲全集(サントリーホール・マーラー・シリーズ)について、CD復活の要望が多数寄せられました。そのリクエストに応えて9月18日に復活再BOX化したのがこの一組です。日本のマーラー演奏史を語る上で、また指揮者若杉弘を語る上で、欠かすことのできない録音と言えるでしょう。

2021年に90歳を迎える指揮界の最長老、外山雄三の初のベートーヴェン/交響曲全集録音です。2016年5月から2020年10月までかけ、大阪交響楽団とともにじっくりと演奏、録音されました。基本的に遅めのテンポによりますが、堂々として説得力に満ち、聴き手をぐいぐいとその世界へ引き込みます。弦楽の豊かな響きも特筆されます。巨匠芸をじっくりとお楽しみください。

児玉麻里が2003~2010年にPentatoneレーベルに録音したベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集と、2006~2019年にBerlin Classicsレーベルに録音したケント・ナガノ指揮ベルリン・ドイツ交響楽団とのピアノ協奏曲全集を組み合わせた日本限定BOX。後者には≪ピアノ協奏曲第0番≫と≪ピアノと管弦楽のためのロンド≫も収録されており、若きベートーヴェンの挑戦と充実した音楽性を楽しむこともできます。

(5)高品質LPレコード

マーラー生誕100年の1960年5月に、ビバリーヒルズで晩年を過ごしていたワルターがウィーン・フィルに招かれて開いた歴史的演奏会のライヴ録音。長らくオリジナルマスターの行方が不明とされていましたが、ここではフランスINAが保管していた良質な音源(モノラル)からLP化されています。ウィーン・フィルの熱っぽい弦楽器、民芸品のような管楽器の響き、そして名歌手シュヴァルツコップの美しい歌声が一層聴き手に迫るサウンドに蘇っています。

“チェロの貴族”の異名をとったイタリアの名手、エンリコ・マイナルディと、ブゾーニ門下の名ピアニスト、指揮者のカルロ・ゼッキが録音した名盤ベートーヴェンのチェロ・ソナタ全集がオリジナル・マスター使用、オリジナル装丁のLPレコード(モノラル)で蘇りました。気品と格調において、同曲録音中でも図抜けた演奏となっています。オリジナルLPは極めて入手困難であるため、LPファン、弦楽器ファンにとっては又とない復刻と言えるでしょう。

ハンガリー出身の名ヴァイオリニスト、ヨハンナ・マルツィのLPレコードもマイナルディ同様に希少盤として知られています。彼女の類稀な感受性とフーバイ門下の磨き抜かれた技巧によるシューベルトは、今なお同曲録音中のトップクラスの出来栄えと言えるでしょう。これまで何種かLPレコード化されましたが、今回はオリジナルマスター使用で、プレスもドイツ・パラス社と最も条件の良い復刻となっています。

ナチス・ドイツ時代の帝国放送局によるヴァイオリン録音を集めたもので、2020年に生誕100年を迎えた諏訪根自子の幻の音源が2曲入っていることで話題となった一組です。彼女以外ではデ・ヴィート、リッチ、ダルボーレ、ビストリツキーの希少音源が集められ、デ・ヴィート以外は当時の最先端の磁気テープ録音されているため、年代離れした音質でこれらの名演を楽しむことができます。当時の録音事情と各ヴァイオリニストのバイオグラフィを収めた解説書も充実しています。

カテゴリ : Classical | タグ : おうち時間

掲載: 2020年12月23日 16:00