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ジェリー・ゴールドスミス興奮の名盤『カプリコン1』待望の復刻

カプリコン1ワーナー保有のサウンドトラックの名盤を順次再発しているパーサヴェランス・レコーズから、70年代後半のスペクタクル・サントラの超名盤『カプリコン1』がリリースされた。

映画は1977年、独自のカメラワークと畳み掛けるストーリーテリングのセンスがユニークだったピーター・ハイアムズ監督が、もっとも自身らしさによって、サスペンス、社会派、ラブストーリー、そしてユーモラスさ、陸・空のアクションなど、さまざまな要素がミックスされたエンタテインメントの傑作を作り上げたのが、この『カプリコン1』。

この好調なテンポで展開するサスペンス・アクションに音をつけたのが、巨匠ジェリー・ゴールドスミス。この頃は担当した『カサンドラクロス』の大ヒットによって、新たな人気を勝ち得てきたゴールドスミス。戦争映画や西部劇といった男くさいアクションで知られていたゴールドスミスが76年の『オーメン』以降、新しい時代のジャンルに巨匠らしい切れ味を聞かせるサウンドを提供する流れになったときの、この傑作。

メインテーマのサスペンスフルな進行から、愛のテーマの美しいメロディに移行する独特のタッチ、そして愛のテーマ単独の美しく盛り上がるドラマティックな展開、そしてゴールドスミスのスコアならではのスピーディで歯切れのよいパーカッシヴなオーケストラさばき。

今回、発売されるのは、過去にサウンドトラック盤として公開時にリリースされた盤のCD復刻。こちらは、実はアルバム用の新録音で、フィルムマスターのCD化は一度、イントラーダで限定リリースされたが、完売して久しい。

70年代の前半の代表作を『パットン大戦車軍団』『パピヨン』『風とライオン』とするならば、その次の時代とも言えるネクスト・ゴールドスミスな時期の代表作が『オーメン』であり『カサンドラクロス』であり『カプリコン1』でありましょう。後の、興奮のSFサスペンス・アクションのためのさまざまな映画音楽へつながる重要な作品であるこの名盤、スペクタクル・アクション・サントラの入門編のひとつとしても体験してほしい。

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2012年11月02日 18:47