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『Wagner at the MET - Legendary Performances from The Metropolitan Opera』

メット

「ワーグナー・アット・ザ・メト~メトロポリタン歌劇場における伝説的公演」
メトロポリタン歌劇場が土曜日の午後のマチネ公演をラジオで生放送し始めたのは1931年のこと。それ以来、METライブビューイングやインターネット・ラジオでの中継が行なわれている現在でも、シーズン中に行なわれる毎週土曜日のラジオ中継はアメリカの風物詩として定着しています。ソニー・クラシカルは2011年からメトロポリタン歌劇場との共同プロジェクトとして、そうしたラジオ放送された過去のライヴ録音から重要な演奏を選りすぐってCD化を開始、これまでに20タイトルをリリースしています。当時のレコード会社によるオペラ全曲盤では実現することが出来なかった、メトロポリタン歌劇場が誇るオールスター・キャストを擁したこれらの録音の多くは、昔からオペラ・ファンの間では有名な存在で、LP~CD時代を通じて海賊盤として流通してきたものが含まれています。しかし今回の発売に当たっては、メトロポリタン歌劇場やその他のアーカイヴに保管されている正規オリジナル・マスターを初めて使用し、丁寧な修復や調整を経てリマスターされ、最上の状態で歴史的な名演の感動がよみがえります。

ワーグナー生誕200年を記念し、その共同プロジェクトのスペシャル・エディションとして今回発売されるのは、1936年から1954年にかけて上演された、『さまよえるオランダ人』から『マイスタージンガー』まで、『パルジファル』を除く主要オペラ9作を収録した25枚のボックスセット。
メトはバイロイトと並んで、ワーグナー上演史では重要な役割を果たしてきました。特にナチスの台頭によってヨーロッパからアメリカに亡命したユダヤ系の名歌手・指揮者が多数登場したため、ラウリッツ・メルヒオールとキルステン・フラグスタートという2大歌手を中心とし、メトにおけるワーグナー上演は隆盛を極めました。ウィーンでマーラーの助手をつとめたアルトゥール・ボダンツキーやフリッツ・シュティードリー、メトの常任指揮者的存在であったエーリヒ・ラインスドルフ、そして1940年代から50年代にメトでドイツ・オペラの上演を担ったフリッツ・ライナーやジョージ・セルなど、充実した指揮者陣のラインナップもワーグナー上演のクオリティを向上させるのに貢献しました。

今回収録されている9作のうち、ボダンツキー指揮による1938年の『トリスタン』とライナー指揮による1953年の『マイスタージンガー』は、正規としてはおそらく過去に全曲盤としては一度も発売されたことのない珍しい音源です。

・完全生産限定盤
・あらすじとエッセイを掲載した120ページの別冊解説書付(日本語は無し)
・収納用クラムシェルボックス(※歌詞・対訳は付属しません)

【CD1-2】 歌劇『さまよえるオランダ人』(全曲)
戦後のメトの黄金時代を築いた支配人ルドルフ・ビングの就任シーズンに新演出上演された「オランダ人」は、ホッターとヴァルナイという二大ワーグナー歌手の共演が音として残された唯一の録音です。ドレスデン国立歌劇場の音楽監督を務めるなど、オペラ指揮者として重要な足跡を残したライナーによる唯一の「オランダ人」であることも注目。
【CD3-5】歌劇『タンホイザー』(全曲)
セルは1940年代からメトに登場していましたが、これは1953年~54年シーズンに新演出上演された『タンホイザー』の記録(ドレスデン版)。バリトンから転向しバイロイト音楽祭にも重用されたラモン・ヴィナイの苦悩に満ちたタンホイザーの歌唱が聴きもの。
【CD6-8】 歌劇『ローエングリン』(全曲)
早くから私家盤として流通していたメルヒオールとヴァルナイを揃えた歴史的上演の記録です。その無尽蔵に湧き出てくるかのような輝かしい歌唱でワーグナー史上重要な足跡を残したメルヒオールの十八番、ローングリンのもっとも充実した公演とされているものです。ワルターの最初の「大地の歌」の録音にも参加していた名歌手トルボルクがオルトルートを担っています。
【CD9-10】 楽劇『ラインの黄金』(全曲)
戦後シュティードリー指揮で上演された『指環』チクルスからのライヴ録音。1952年からバイロイトでヴォータンを歌い始めたホッター全盛期の圧倒的な歌唱が魅力。ローゲは名歌手スヴァンホルムが担い、後にメトやバイロイトでヴォータンを歌うハインズがファーゾルトで出演しています。
【CD11-13】 楽劇『ワルキューレ』(全曲)
メルヒオールとフラグスタートを揃え、ヴォータンに若手のヒューンを迎えた公演。長年伝統的に施されていたカットを復活させたのもラインスドルフの功績です。
【CD14-16】 楽劇『ジークフリート』(全曲)
伝説的な上演として知られ、早くからLP化されてきたこの1937年の『ジークフリート』は、ベストフォームによるメルヒオールの疲れを知らぬ圧倒的な歌唱が聴きもの。幕切れのフラグスタートとの二重唱も見事の一言です。ヴェテランのショル(さすらい人)とリスト(ファフナー)のキャラクターあふれる歌唱も印象に残ります。
【CD17-19】 楽劇『神々の黄昏』(全曲)
『神々の黄昏』の現存するもっとも古い全曲録音です。絶頂期のメルヒオールによるジークフリートのみならず、メトに前年にデビューしたばかりの二十代のマージョリー・ローレンスによるエネルギーに満ちたブリュンヒルデが聴きものです。
【CD20-22】 楽劇『トリスタンとイゾルデ』(全曲)
メルヒオールとフラグスタートのコンビによる最大の呼び物だった『トリスタン』は、1935年から1941年までほぼ毎シーズン上演されていました。これまで全曲盤としては公にされてこなかった1938年のライヴです。疲れを知らぬ二人の名歌手による第2幕の二重唱は圧倒的です。
【CD23-25】楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』(全曲)
1948年から53年までメトの常任指揮者をつとめたフリッツ・ライナーは、厳格なリハーサルによってメトの上演のクオリティを大きく向上させました。『マイスタージンガー』はライナーがドレスデン時代から愛奏してきたオペラで、1955年のウィーン国立歌劇場のオープニング公演でも取り上げています。

【曲目】
[CD1-2]
歌劇『さまよえるオランダ人』(全曲)
フリッツ・ライナー(指揮), ハンス・ホッター(オランダ人), アストリッド・ヴァルナイ(ゼンタ), セット・スヴァンホルム(エリック), スヴェン・ニルソン(ダーラント), ヘルタ・グラーツ(マリー), トーマス・ヘイワード(舵取り)
[収録] 1950年12月30日

[CD3-5]
歌劇『タンホイザー』(全曲)
ジョージ・セル(指揮), ラモン・ヴィナイ(タンホイザー), ジェローム・ハインズ(ヘルマン), ジョージ・ロンドン(ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハ), マーガレット・ハーショー(エリーザベト), アストリッド・ヴァルナイ(ヴェーヌス)
[収録] 1954年1月9日

[CD6-8]
歌劇『ローエングリン』(全曲)
エーリヒ・ラインスドルフ(指揮), ラウリッツ・メルヒオール(ローエングリン), アストリッド・ヴァルナイ(エルザ), ケルスティン・トルボルク(オルトルート), アレクサンダー・スヴェト(テルラムント), ノーマン・コードン(国王ハインリヒ), マック・ハレル(軍令使)
[収録] 1943年1月2日

[CD9-10]
楽劇『ラインの黄金』(全曲)
フリッツ・シュティードリー(指揮), ハンス・ホッター(ヴォータン), マーガレット・ハーショウ(フリッカ), ジャルミーラ・ノヴォトナ(フライア), ブライアン・サリヴァン(フロー), オーズィー・ホーキンス(ドンナー), セット・スヴァンホルム(ローゲ), レスリー・チャベイ(ミーメ), カリン・ブランゼル(エルダ), ローランス・ダヴィッドソン(アルベリヒ), ジェローム・ハインズ(ファーゾルト), 他
[収録] 1951年1月27日

[CD11-13]
楽劇『ワルキューレ』(全曲)
エーリヒ・ラインスドルフ(指揮), ラウリッツ・メルヒオール(ジークムント), マージョリー・ローレンス(ジークリンデ), エマヌエル・リスト(フンディング), ユリウス・ヒューン(ヴォータン), キルステン・フラグスタート(ブリュンヒルデ), カリン・ブランツェル(フリッカ), 他
[収録] 1940年2月17日

[CD14-16]
楽劇『ジークフリート』(全曲)
アルトゥーロ・ボダンツキー(指揮), ラウリッツ・メルヒオール(ジークフリート), キルステン・フラグスタート(ブリュンヒルデ), フリードリッヒ・ショル(さすらい人), カール・ラウフケッター(ミーメ), エドゥアルド・ハビッヒ(アルベリッヒ), エマニュエル・リスト(ファフナー), キルステン・トルボルク(エルダ), ステラ・アンドレーヴァ(森の小鳥)
[収録] 1937年1月30日

[CD17-19]
楽劇『神々の黄昏』(全曲)
アルトゥーロ・ボダンツキー(指揮), ラウリッツ・メルヒオール(ジークフリート), マージョリー・ローレンス(ブリュンヒルデ), エドゥアルド・ハビッヒ(アルベリッヒ), ルートヴィッヒ・ホフマン(ハーゲン), ドロシー・マンスキー(グートルーネ), フリードリッヒ・ショル(グンター), キャスリン・メイスル(ヴァルトラウテ),他
[収録] 1936年1月11日

[CD20-22]
楽劇『トリスタンとイゾルデ』(全曲)
アルトゥーロ・ボダンツキー(指揮), ラウリッツ・メルヒオール(トリスタン), キルステン・フラグスタート(イゾルデ), ルートヴィッヒ・ホフマン(マルケ王), ユリウス・ヒューン(クルヴェナール), カリン・ブランツル(ブランゲーネ), 他
[収録] 1938年4月16日

[CD23-25]
楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』(全曲)
フリッツ・ライナー(指揮), パウル・シェフラー(ハンス・ザックス), ハンス・ホップ(ヴァルター), ゲルハルド・ペヒナー(ベックメッサー), ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(エヴァ), 他
[収録] 1953年1月10日

【演奏】
メトロポリタン歌劇場管弦楽団 & 合唱団
(モノラル: ライヴ)

カテゴリ : ニューリリース | タグ : ワーグナー&ヴェルディ

掲載: 2013年02月07日 16:17

更新: 2013年02月07日 17:00