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『ヴェルディ・アット・ザ・メト~レジェンダリー・パフォーマンス』

ヴェルディ・アット・ザ・メト

メトロポリタン歌劇場が土曜日の午後のマチネ公演をラジオで生放送し始めたのは1931年のこと。それ以来、METライブビューイングやインターネット・ラジオでの中継が行なわれている現在でも、シーズン中に行なわれる毎週土曜日のラジオ中継はアメリカの風物詩として定着しています。ソニー・クラシカルは2011年からメトロポリタン歌劇場との共同プロジェクトとして、そうしたラジオ放送された過去のライヴ録音から重要な演奏を選りすぐってCD化を開始、これまでに20タイトルをリリースしています。
当時のレコード会社によるオペラ全曲盤では実現することが出来なかった、メトロポリタン歌劇場が誇るオールスター・キャストを擁したこれらの録音の多くは、昔からオペラ・ファンの間では有名な存在で、LP~CD時代を通じて海賊盤として流通してきたものが含まれています。
しかし今回の発売に当たっては、メトロポリタン歌劇場やその他のアーカイヴに保管されている正規オリジナル・マスターを初めて使用し、丁寧な修復や調整を経てリマスターされ、最上の状態で歴史的な名演の感動がよみがえります。

ヴェルディ生誕200年を記念し、その共同プロジェクトのスペシャル・エディションとして今回発売されるのは、1940年から1967年にかけて上演された、ヴェルディの主要オペラ10作を収録した20枚のボックスセットです。先ごろ発売したワーグナー編に続くヴェルディ編で、ボックス・デザインも共通、ワーグナーの赤ならヴェルディはブルーです。

ヴェルディのオペラはワーグナーやモーツァルトと並び、メト最初期からの人気レパートリーであり、錚々たる名歌手を投入した豪華な舞台で観客を魅了してきました。その長い上演史の中でも屈指の名演とされている演奏をCD化したものです。

今回収録されている10作のほとんどはオペラ・ファンの間ではよく知られている演奏ですが、中ではパニッツァ指揮マルティネッリ出演による1940年の『オテロ』は比較的珍しい音源と思われます(これまでCD化さてきたのは主に1938年ライヴ)。また1967年の『アイーダ』以外は現在のリンカーンセンターに移転する前のブロードウェイ39~40丁目にあった旧歌劇場での上演のライヴ録音で、全10作ほぼ録音年代順に並べられています。また『オテロ』と『仮面舞踏会』の2作は、メトロポリタン歌劇場が寄付金を集めるために毎年過去のライヴ音源から選定し自主制作・頒布しているライヴ・シリーズにも含まれていたことからも、メトが自ら認める歴史的公演であったことがわかります。

【各曲の聴きどころ】
【Disc1~2】歌劇『椿姫』(全曲)
1941/42年シーズンに最初にライヴ中継された公演で、20世紀中盤のメトの看板歌手の一人、テノールのジャン・ピアースのメト・デビュー公演となったもの。気品あるヴィオレッタを演じるノヴォートナのヴィオレッタはこれが唯一の記録。指揮のパニッツァは1920年代にトスカニーニのもとでミラノ・スカラ座の指揮者を務め、1934年にメト・デビュー後、メトのイタリア・オペラ上演を一手に担った名匠です。

【Disc3~4】歌劇『オテロ』(全曲)
1913年にメト・デビュー以来、イタリア・オペラのドラマティックな役柄で一世を風靡した名テノール、ジョヴァンニ・マルティネッリのオテロが随一の聴きものです。敵対するイアーゴのティベットとの白熱した二重唱も凄まじい限り。レートベルクの美しいデズデモナも見事です。

【Disc5~6】歌劇『仮面舞踏会』(全曲)
「仮面舞踏会」が1913年以来四半世紀ぶりにメトでリヴァイヴァルされた時の記録。3年前にメト・デビューを果たした当時29歳のビョルリンク唯一のリッカルドの全曲録音であり、ミラノフとのコンビで残された唯一の「仮面舞踏会」でもありあます。

【Disc7~8】歌劇『リゴレット』(全曲)
ティベットの後継者として1939年のデビュー以来、メトを代表するバリトン歌手として活躍したレナード・ウォーレンの当たり役、リゴレットの全曲盤です。第2次大戦中の混乱を避けてアメリカを離れていたビョルリンクが戦後初めてメトに登場した時の記録でもあります。名花サヤンの可憐なジルダも魅力的です。

【Disc9~10】歌劇『ファルスタッフ』(全曲)
巨匠フリッツ・ライナーがメトの指揮者だった時の貴重な記録で、メトで指揮した唯一のイタリア・オペラです。「サロメ」でセンセーショナルなデビューを飾った直後の上演で、各パートをクリアーに響かせるライナーの手腕が生きています。ウォーレン、レズニック、エルモ、ディ・ステファノなど個性豊かな歌手がそれぞれの役柄を生き生きと描き出しています。トスカニーニが翌年の「ファルスタッフ」の演奏で題名役に起用したヴァルデンゴがここではフォードを歌っているのも注目です。

【Disc11~12】歌劇『シモン・ボッカネグラ』(全曲)
ウォーレンがメト・デビューを飾ったのがこの「シモン・ボッカネグラ」(ただしパオロ役)で、この1950年の上演がウォーレン初のシモン役となりました。タッカー、ヴェルデンゴと名歌手をそろえ、ヴァルナイの珍しいヴェルディ・オペラの記録でもあります。ウィーンでマーラーのアシスタントとつとめ、メトでワーグナーを中心とするドイツ・オペラ上演を担ってきたシュティードリーが初めてイタリア・オペラを指揮したのがこの「シモ
ン」で、大成功を収めた彼はこの後、イタリア・オペラもレパートリーに加えていきます。

【Disc13~14】歌劇『運命の力』(全曲)
8年ぶりのメト上演となった1952年の「運命の力」。ミラノフ最高の歌唱とされるドラマティックなレオノーラが聴きものです。タッカーにとって初めてのドン・アルヴァーロ、そして8年後に同じ役を歌っている最中に舞台上で亡くなったウォーレンのドン・カルロも見事。ブルーノ・ワルター指揮のマーラー「大地の歌」で名唱を聴かせたミラーがプレツィシッラで鮮烈な歌唱を聴かせくれます。

【Disc15~16】歌劇『マクベス』(全曲)
メト史上初めて取り上げられた「マクベス」公演。絶頂期にあったウォーレンのパワルフなマクベスは翌年の舞台上の死を予測することができないほどの充実ぶり。予定されていたマリア・カラスのキャンセルで急きょメト・デビューを果たしたリザネクのドラマティックなマクベス夫人も見事です。心臓の悪化でキャンセルしたミトロプーロスに代わってメトとは所縁の深いラインスドルフが緻密なヴェルディ解釈を披露しています。この上演と並行して、ほぼ同一のキャスト・指揮者でRCAにセッション録音を残しています。

【Disc17~18】歌劇『ナブッコ』(全曲)
1960/61年のシーズンを飾ったメト史上初の「ナブッコ」上演となったプロダクションの再演の記録。前年リゴレット役でデビューし、1980年代までメトの代表的バリトンとなったマクニールがドラマティックなナブッコを披露しています。難役アビガイッレに挑んだのはリザネクで、名歌手シェピがザッカリアでわきを固めています。シッパーズの若々しい熱を帯びた指揮が作品のドラマを描き出しています。

【Disc19~20】歌劇『アイーダ』(全曲)
メトがリンカーン・センターに移った最初のシーズンに上演された豪華キャストによる「アイーダ」。レオンタイン・プライス、バンブリー、ベルゴンツィなど、絶頂期にあった歌手が一堂に会したメトならではの上演です。当時メトの常連指揮者だったシッパーズのドラマティックな指揮も聴きものです。

【収録内容】
【Disc1~2】
歌劇『椿姫』(全曲)
ヤルミラ・ノヴォートナ(ヴィオレッタ), ジャン・ピアース(アルフレード), ローレンス・ティベット(ジェルモン),他 エットーレ・パニッツァ(指揮)
[録音:1941年11月29日, :ライヴ]

【Disc3~4】
歌劇『オテロ』(全曲)
ジョヴァンニ・マルティネッリ(オテロ), エリザベート・レートベルク(デズデモナ), ローレンス・ティベット(イアーゴ), アレッシオ・デ・パオリス(カッシオ),ジョージ・チェハノフスキー(モンターノ),他 エットーレ・パニッツァ(指揮)
[録音:1940年2月24日ライヴ]

【Disc5~6】
歌劇『仮面舞踏会』(全曲)
ユッシ・ビョルリンク(リッカルド), アレクサンデル・スヴェト(レナート), ジンカ・ミラノフ(アメーリア), ブルーナ・カスターニャ(ウルリカ), 他, エットーレ・パニッツァ(指揮)
[録音:1940年2月14日ライヴ]

【Disc7~8】
歌劇『リゴレット』(全曲)
レナード・ウォーレン(リゴレット), ユッシ・ビョルリング(マントヴァ公爵), ビドゥ・サヤン(ジルダ), ノーマン・コードン(スパラフチーレ)、マーサ・リプトン(マッダレーナ)、ジョージ・チェハノフスキー(マルッロ),他, チェーザレ・ソデロ(指揮)
[録音:1945年12月29日ライヴ]

【Disc9~10】
歌劇『ファルスタッフ』(全曲)
レナード・ウォーレン(ファルスタッフ), ジュゼッペ・ヴァルデンゴ(フォード), ジュゼッペ・ディ・ステファノ(フェントン),レジーナ・レズニク(アリーチェ),クレオ・エルモ(クイックリー夫人), リチア・アルバネーゼ(ナンネッタ), マーサ・リプトン(メグ・ページ),他, フリッツ・ライナー(指揮)
[録音:1949年2月26日ライヴ]

【Disc11~12】
歌劇『シモン・ボッカネグラ』(全曲)
レナード・ウォーレン(シモン・ボッカネグラ), アストリッド・ヴァルナイ(アメーリア), ミハーイ・セーケイ(ヤーコボ・フィエスコ), リチャード・タッカー(ガブリエーレ・アドルノ),ジュゼッペ・ヴァルデンゴ(パオロ・アルビアーニ),ロレンツォ・アルヴァリー(ピエトロ),他, フリッツ・シュティードリー(指揮)
[録音:1950年1月28日ライヴ]

【Disc13~14】
歌劇『運命の力』(全曲)
ジンカ・ミラノフ(レオノーラ)、ミルドレッド・ミラー(プレツィオシッラ)、リチャード・タッカー(ドン・アルヴァーロ),レナード・ウォーレン(ドン・カルロ),ジェローム・ハインズ(グアルディアーノ神父)他, フリッツ・シュティードリー(指揮)
[録音:1952年11月29日ライヴ]

【Disc15~16】
歌劇『マクベス』(全曲)
レナード・ウォーレン(マクベス), レオニー・リザネク(マクベス夫人), ジェローム・ハインズ(バンクォー), カルロ・ベルゴンツィ(マクダフ), 他, エーリヒ・ラインスドルフ(指揮)
[録音:1959年2月21日ライヴ]

【Disc17~18】
歌劇『ナブッコ』(全曲)
コーネル・マクニール(ナブッコ), レオニー・リザネク(アビガイッレ), エウジェニオ・フェルナンディ(イズマエーレ), チェーザレ・シェピ(ザッカリア), 他, トーマス・シッパーズ(指揮)
[録音:1960年12月3日ライヴ]

【Disc19~20】
歌劇『アイーダ』(全曲)
レオンタイン・プライス(アイーダ), カルロ・ベルゴンツィ(ラダメス), グレース・バンブリー(アムネリス), ロバート・メリル(アモナスロ)、他, トーマス・シッパーズ(指揮)
[録音:1967年2月25日ライヴ]

カテゴリ : ニューリリース | タグ : ワーグナー&ヴェルディ

掲載: 2013年07月24日 18:35

更新: 2013年07月24日 18:51